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men's egg休刊号から見えてくるギャル男文化衰退の理由

men's egg (メンズエッグ) 2013年 11月号 [雑誌] men’s egg (メンズエッグ) 2013年 11月号 [雑誌]

大洋図書 2013-10-12
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 ギャル男文化を牽引してきたファッション誌men’s eggの休刊は一般誌にも取り上げられるほど
話題になっています。その見解として、「ギャル男の数が減った」
「ギャル男が多様化した」「渋谷が健全化した影響」などが挙げられていますが、
men’s egg11月号でギャル男文化を語る歴代モデルやブランド関係者たちは
どのように考えているのか。その熱い語り口から見えてきたギャル男文化衰退の理由をまとめてみました。





■ギャル男文化が衰退した理由


1.渋谷のカルチャーが規制され街がクリーンになった


 以前は「デリッカー(サイケデリック+ヒッピー)」や「センターGUY」など
街から生まれたスタイルがありました。メンモ(メンズエッグモデル)で
1、2位を争うほど知名度の高い梅しゃんこと梅田直樹さんはセンターGUY出身です。
規制以降ギャル男史に残るようなスタイルやモデルは登場しておらず、
「白川の清きに魚のすみかねて」状態に。


2.無難が一番という時代になった


 「既成の概念をぶち破って目立つ」のがギャル男の本質。そのあたりの価値観は
ギャルとギャル男の文化人類学』が詳しいです。
ギラギラしている肉食男子から大人しい草食男子へと時代が移ったのもギャル男には厳しい流れだったのでしょう。
自由でパワフルな昭和のノリがなくなったとメンモは指摘しています。


3.ネットの影響


 ブログもSNSも携帯の写メすらない時代だったので、men’s eggは情報発信源でありコミュニティとしても機能していました。その役割がネットに移ったことでmen’s eggの求心力が低下。ギャル男のファッションや価値観も多様化していきました。


4.読モブームが起こった


 昔のmen’s eggはモデル一個人からトレンドが発信され大人たちの手は入っていませんでしたが、読モがお金になるとわかると大人の都合が顕著に。これによりメンモのカリスマ性が失われました。


5.男の憧れではなくなった


 モデルはキャラ重視から見た目重視に。メンモのファンに女性が増えmen’s eggがアイドル雑誌化。それに伴いファッションも小奇麗に(フェミニン化)なり、ギャル男と一般人の見分けが困難に。



 一般誌の見解では1~3が多いと思うのですが、「男の憧れではなくなった」というのも見逃せない点だと思います。その点を踏まえ、少しギャル男ファッションについて振り返りながら今の現状を見てます。


■ギャル男はどこから来てどこへ向かうのか


 ギャル男はコギャルの男性版「V男」に端を発しています。ロン毛、ビットシューズ、
Vネックにブランド品(グッチ、アルマーニ、バーバリーなど)を着用しているのが特徴で
(ワイルドロマンスとでも表現すれば良いのでしょうか)、
雑誌東京ストリートニュースに登場するようなギラギラしたティーンズが母体です。
そこには渋カジ・渋谷チーマー(ヤンキー・不良)文化も合流しており、
とにかく「既成の概念をぶち破って目立つ」というのがポリシーです。
「スーパー高校生」「VIP高校生」として東京ストリートニュースに取り上げられ
有名になりたかったわけです。


 ギャル男のファッションはコギャルというLAサーフファッションの男性版、
イメージは「ビーチボーイズ」の反町隆史さんや90年代のキムタクなので、
当然ギャル男もサーフ系を軸としたアメカジがメインです(そのなれの果てがセンターGUY)。
ブランド品で大人っぽく着飾るV男のDNAはお兄系(2004年に誕生)に受け継がれ、
不良要素はバイカーやロック系ファッションとして取り入れられました(2006~2007年くらいに雑誌SENSEと近似化。
ブランドもいくつか被った)。


 他にもギャル男のファッションはデリッカー、裏渋系、ACID ROCK、ブラカジ・ブラ男(これはメンズナックルですが)などいろいろとありますが、
このアメカジ、お兄系、アウトロー系の3つがギャル男ファッションの基本です。
それが今はこうなりました。



 まずギャル男の中核をなすアメカジですが、現在、アメカジはPOPEYE発の「シティーボーイ」の独壇場です。この影響からは逃れることができず、女性ウケをとことん追求したファッションで勝負するしか手はなかったのです。これがここ1~2年のギャル男のモテ化&きれいめ化です(女性目線のファッション)。ギャル男らしさはヘアスタイルくらいにしか残っていません(一応ストールを多用するという特徴はある)。


 次にお兄系。艶っぽいお兄系ファッションはホスト中心に取り入れられるようになり、
雑誌Men’s SPIDERが提案する「Vホス系(ヴィジュアル系+ホストファッション)」が主戦場に。
FF7のクラウドみたいな髪型が出てきたのはここです。
このMen’s SPIDERはMEN’S KNUCKLEの仕掛け人が2008年に新しく創刊した雑誌です。
2013年にmen’s eggの方でもお兄系の復活を狙うも不発に終わりました。


 そして男らしさを追求するアウトロー系からは「悪羅悪羅(オラオラ)」系を
提案するSOUL JAPANが台頭します。オラオラ系は2008年女性誌egg6月号で初登場。
その後、MEN’S KNUCKLE9月号で大きく取り上げられ、
SOUL JAPANが世に送り出されました。今はSOUL SISTERも創刊され「悪羅ギャル」というジャンルもあります。
アウトロー系はこの「悪羅悪羅」系に大半を持っていかれました。



 こうして見ると、ギャル男文化は2000年代前半はmen’s eggが作ってきましたが、
それ以降のムーブメントはMEN’S KNUCKLEがその中心にいます。
「ガイアが俺にもっと輝けと囁いている」と度々話題になるキャッチコピーもMEN’S KNUCKLE。
ニコニコ動画とコラボレーション(メンナクちゃんねる)したのもMEN’S KNUCKLE。
「ピカるの定理」から生まれた徳井さんの「どうするぅ」のキャラもMEN’S KNUCKLEです。


 そのMEN’S KNUCKLEのスタイルは「お兄系+アウトロー系」というテイストであり(モデルはホスト)、
一貫して「伊達ワルGUY」、ギャル用語でいうところのいわゆる「強め」スタイルです。
これが人気ということは、やはり「男臭さ」や「男の憧れ」、
その「男のロマン」的な熱い何かがギャル男文化を作るということなのでしょう。


 MEN’S KNUCKLEはこの12月号で10周年を迎えました。幅広いスタイルを提案し「男の憧れ」が失われていったmen’s eggに対し、とことん「男臭さ」と「激モテ(ちゃらさ)」というギャル男の原点と向き合ってきたMEN’S KNUCKLE。これからのギャル男の舵を取るのはメンナクです。漆黒に選ばれし男たちの体制への逆襲が始まるのです。


■men’s egg休刊、ギャル男文化についてどう思う?


 最後に。「『メンズエッグ』休刊、ギャル男文化についてどう思う?」とElasticでアンケートを
取ったのでその集計結果を発表しておきます。


ギャル男文化.jpg



 寄せられたコメントはこちら。


「表面的なファッションのカテゴリーが成り立つ程の厚みが無くなっただけで人間の内面的な部分としてのギャル男がいなくなった訳では無い。
極端で軽薄で悪趣味な嗜好が消え去る事はない」



「元々そんなに数いないのでは、、自然淘汰でしょう」



「草食化により、ギャル男を目指す若者が減った結果だと思います。
保守的な男性が増えたことで、無難なきれカジ・アメカジを選ぶ傾向が高くなったのでしょう」



「渋谷109-2に最近ヘルプに入るのですが、修学旅行生・欧米/アジアの観光客が殆んどです。
たまに入ってくる日本人はFOREVERかH&Mの袋持って入って来るかテナントの固定客さん。
P’パルコもそうですが本当に入館者少ないです」


「ギャル男ファッションはいわゆるトレンドのファッションに収斂し、ライフスタイルや精神性など非視覚的なところでギャル男文化が存続していると思う」



「昔と今のギャル男の定義、スタイルの違いがメンズエッグの休刊に繋がったような気もします」



「5~6年くらい前はどこに行ってもギャル男を見かけたのに、今はほとんど見かけないので、ギャル男は減ったなーと実感」



「ギャル男は消えたけど、今の若い子が着てる服って昔でいうお兄系ベースでしょ。
一億総ギャル男化ともいえる」


「こてこてのギャル男はもう絶滅危惧種ですね」




 ギャル男文化が続いていくという意見は少ないですね。ギャル男文化は「男のロマン」が肝なので、草食化の流れが続く限り、2006~2008年の黄金期の勢いを取り戻すのは難しいのではないかと私も思います。





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