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男も「見られる」時代に 書評『「モテ」の構造』

「モテ」の構造―若者は何をモテないと見ているのか (平凡社新書 407) 「モテ」の構造―若者は何をモテないと見ているのか (平凡社新書 407)
鈴木 由加里

平凡社 2008-01
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 本書『「モテ」の構造―若者は何をモテないと見ているのか (平凡社新書 407)』は
モテの構造を紐解き、モテモテになろうというハウツー
本ではなく、今の若い男性は「モテ」と「見た目」に
ついてどう考えているのか、考察している本です。




第1章 「モテ」とは何か

第2章 「カッコイイ」と「コンプレックス」の関係

第3章 男と見た目とおしゃれ

第4章 「モテ」の教科書を点検する

第5章 モテないということ、モテるということ


 第1章は女性誌の「モテ」について、第2章は主に
「チビ・デブ・ハゲ」のどれが一番辛いのかについて、
第3章は世代論と価値観の変遷について書いてあります。
第4章は『LEON』を取り上げ、アンチ『LEON』派に
痛快に突っ込みを入れていたりして、楽しく読めたのですが、
肝心の若者の「モテ」の教科書(サロンボーイやお兄系)
ついての言及がなかったのが残念(巻末でちょっとだけ
触れてたけど)。で、第5章を読むと、著者の言いたいこと
は全て5章にまとめられており、5章までは壮大な前フリで
あることがわかります。おそらく、著者の言いたいことは
これでしょう。



私たちが他人の「見た目」を評価するとき、「見た目」
のそれぞれのパーツに対して、美醜の判断基準を当てはめて
評価しているわけではない。その人と性的な体験も含めた
関係を持とうと考える場合、具体的なシチュエーションで
言えば、合コンなりの場でチェックするのは、それぞれの
「見た目」から読み取れる内面の問題なのである。



本当のところ「見た目」とは顔の造作や身長や体型では
ない。「見られている存在」であるということをどう
意識して、外見を支配、統御、ケアし、作っていくのか、
ということの総体が「見た目」なのである。





私も「
「清潔感」は「エグゼクティブ」の言い換えではないか?
」で
同じようなことを書きましたが、女性はファッションセンスや
身だしなみという「外見」の良し悪しを見ているのではなく、
服装から「中身」を判断しようとしているのですね。
だから「見た目(服装)」にこだわるだけではなく、
「自分のキャラ」や「ライフスタイル」等の「中身」も
きちんと考えないと(演出しないと)効果は薄いのです。



 同性から見て、ファッションや「見た目」がイマイチ
でもモテる男性というのはいます。そういう男性に対し、
女性は「雰囲気(オーラ)がある」とよく言います。
これは「中身の良さが外見ににじみ出ている」という
意味だと私は解釈しているのですが、不思議なことに、
「中身の良さ」というのが「雰囲気」という「見た目」の
要素を構成するのです。そして彼女たちは「イケメン
じゃない(整った顔orオシャレではない)けどカッコイイ」
とファッション好きにはちょっと理解しがたいことを
言うのです。


 では、最低限の身だしなみを整え、「中身」を磨けば
モテるようになるのか、イケメンになれるのか、というと、
そう簡単にはいきません。なぜなら、ここ数年、
男性のファッション熱がヒートアップしてきているからです。
今では男性が「キレイ」を目指すのは普通です。

レディースを着る男性も肯定される時代
」です。
モテるため、身だしなみを整えるため、ではなく、
純粋にファッションを楽しむ男性が増えているのです。
そんな時代に、内面を偏重し、「武士道」「男の装い」
「男の作法」「男の品格」「ダンディズム」などと言って
いたら、時代錯誤かもしれません(同性としてはカッコイイと思いますが)。




20世紀から今世紀にかけて、視覚中心の文化が展開
されているのは確かである。その中で、男性もまた
「見た目」で判断され、序列化されるようになった。
男性もまた「見られる」存在であり、女性と同様に
序列化されるのだ、ということを引き受けて、
「キレイ」を目指すか、さもなくば女性たちの
「負け犬」宣言と同じようにそういったレースから
降りるための算段を工夫するかは、個々の男性の選択に
委ねられている。


昔は「中身」を磨いたり、「身だしなみ」を整える
だけで「ちょいモテ」は達成できたのかもしれません。
でも今は違います。「最低限の身だしなみ」の
ハードルが上がってしまいました。単に整えるだけではなく、
まめにお肌やムダ毛にも気を配らないといけないのです。
若者のモテ系雑誌(サロンボーイやお兄系)の雑誌には、
ファッションだけではなく、メンズビューティーに関する
情報も大きく取り上げられるようになりました。
今は男性も女性同様、「見た目」で判断され、
序列化される時代になってしまったのです。
ファッションやビューティーに興味がある男性は
いいのですが、そうではない男性は前途多難な時代に
なりそうです。女性のように嫌でも「見た目」に気を
配らなければならなくなるのですから。男性も
「ちょいモテ」と謙虚なことを言ってないで、
「めちゃモテ」くらいの気持ちで「見た目」も磨かない
と差別化を図れない、そんな時代は目の前です。






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この記事を書いた人

コメント

コメント一覧 (21件)

  • 難しいですね…
    男に求めれてる最低限のハードルがあがってるのかな…女の子もキレイになってるとは思うけど…
     モテたいのなら中身を磨くと同時に自分の個性にあって、なおかつ「キレイ」な格好をしなくちゃいけないってことかな?

  • それでもやっぱり俺は、内面重視に偏りたいな
    ソレが俺の「キャラ」だろうし「ライフスタイル」だと思う
    自分の目指したいものを変えてまで無差別&不特定多数の女にモテたいとは思わない

  • と、ソレとは別にこの本は面白そうだ
    年度末の仕事ラッシュが終わったら買ってみよう

  • 「人は見た目が9割」を思い出します.
    色んなことを含めて,視覚だけではなく,全ての感覚を通して得られる印象が,「見た目」だと思います.
    話し方から仕草まで,その人の気質の幾分かは,やはり外見に現れますから.
    結局,女性も同じではないでしょうか.

  • 僕だけかもしれませんが、顔の良し悪しにかかわらず雰囲気の良い性格の良い女性の方はすごく良い香りがするんですよね。なんででしょうか?服も地味なのに小奇麗に見える…

  • 見た目も気にしつつ、内面も磨かないといけないんですか・・・(-_-;)
    正直難しい問題ですね・・・。
    見た目を勉強して、その上内面も磨くとなると、お金と時間(主にお金)が・・・。

  • 男が序列化されるのもいたしかたないでしょう。今まで女を序列化してきたのだから・・・
    純粋にファッションを楽しむ男性が増えているというのには同感。私もあまり特にモテを意識していませんしねえ。しかしまあ大変だ。
    ところでここはファッションプログなので述べていませんが、「お金」というベクトルを加えるとどうなるんでしょうね?いや身につけているものでそれもわかっちゃうのかなあ?

  • 作り上げた内面をいかに外見と成し得るかというのも、ファッションの目的のひとつだと思います。
    しかし「モテ」というと、その判断基準を異性にゆだねる事になりますが、その辺はどうなんでしょう。
    「Safari」の巻末座談会などを見ると(見ている時点で論旨がぶれますが)、つい心折れそうになりますが、やはりその視点は「きれいめ」というところに転んでしまい、後がない気がします。
    やはり、鏡を見ようと。

  • ファッションのブログで言うのもなんですが
    女性は20代後半になってくると無難な服装(と言っても最低限はお洒落)で物事に対して計画的、しっかりとした自分の考えがある男性を好むと聞いたことが有ります。女って分からんです
    この著者の考えは、よくて20代後半までかと

  • 女性は「恋愛」「結婚」を別にして考えているとよく耳にします。
    しばしば、洗練されてて凄く美人なOL風の女性と、「容姿的には釣り合わないな」と思わせる社会人男性とのカップルを見かけます。こういうカップルを見ると、結婚を意識した大人のお付き合いなのかな、と思ったりします。かといいつつ、同じような女性がイケメンタレントに大騒ぎしたり。
    女性はミーハー心と現実さを両方持ち合わせ、使い分けていると。

  • 男性も女性も、見た目のハードルは上がりっぱなしですよね。
    しかも技術の進歩(!)で、化粧品やエステの効果も高くなり、お金さえかければそれなりに美しくなれますよね。
    でも・・・
    やっぱり、最終的には、その人の持つフェロモン度数がモテにつながると思います。
    それって、努力で出るというよりは、余裕からくるものなのかと思うのです。
    男女とも、余裕のある人って、セクシーです。
    その余裕っていうのは、経験と、知識、それを使いこなす時を習得していて、ここぞというときに発揮できるからこそのものなのかな?と思います。
    ここへこられる方は、ファッションの持つパワーとか効果を知っていらっしゃるようですし、おのずと自己分析されてるのではないでしょうか。
    自分の演出方法を見つける、これってファッションの楽しさだと思うし、その意味でもあるかなと思います。
    その方法をみつけたら、余裕も出てくるのかも、と思います。
    そうなると、GAPでもナイキでもセクシーだったりするんですよね。
    なので、男性は、最低限のマナーで、歯磨き・お風呂をやってくれれば、無理な脱毛とか、しなくていいと思います。個人的な意見ですけど!

  • 見られる関係の話で
    「人は見た目が9割」を読んで
    服装に興味を持つようになったから
    こういう本は良いですね。

  • 朝起きて、顔だけ洗ってきた、ぐらいの男の人が好きです。
    髪がある(坊主以外)なら、寝癖を直す程度で。
    髪の毛に何時間もかけてそうなのとか服装もこだわりすぎてるのは
    一般女性にはウケないもんですよ。
    個人的には、美容にこだわる男の人が増えているからこそ、
    古き良きな「男らしい男」の人の方が目立って、惹かれます。

  • いやぁ、時代の流れに違和感を覚えたらもうおっさんの証拠ですね。
    さてこんな日はトリッカーズでも履いて出掛けよう!

  • >うひゃ さんへ
    そうですね。「キレイ」というのも1つの指標に加えられそうです。
    >taskさんへ
    そういうポリシーは素敵だと思います!譲れないものって
    ありますもんね。
    >で、結局「モテ」って
    この本では「最大公約数的にウケル」と仮定して、論を
    すすめていました。
    >yossyさんへ
    女性も男性もそのあたりは同じだと思います。
    >まごさんへ
    雰囲気って細かいところから出てくるものなので、
    香水とかにも気を使っているのでは>
    >コロさんへ
    ビューティーは金銭的に厳しいですよね・・・。
    >TABITOさんへ
    「お金≒LEON≒キレイ」とこの本では仮定してました。
    拝金主義(モノ主義)VS精神主義(中身偏重)と対立
    させて。
    >shortさんへ
    ありがちな主張に持っていくまでに、現在のモテ界隈は
    どうなっているのか、まとめられているので、面白いですよ。
    >ChemicalSweetさんへ
    モテの判断基準は難しいですね。
    今は異性ですが、男性もその判断基準を作っていく
    時代がくることがあるかもしれません。
    >タツローさんへ、タンタンさんへ
    この本は「今の若者」を前提に話をすすめているので、
    とうぜん、タツロー、タンタンさんのような指摘もあると
    思います。世代によって価値観も違いますし。モテと
    結婚では話が別になってくるでしょうし。
    >スネークさんへ
    一時間半もあれば読めてしまう内容です^^
    >ミホさんへ
    余裕というのは豊かさとも言いかえられると僕は思っています。
    そうなると、やはりお金持ちはモテるんですよね。
    >黒猫さんへ
    あんまり煽るのもどうかと思いますが、ファッション好きとしては
    同士が増えるのは嬉しいです。
    >Iさん、liveさんへ
    そういう価値観もあると思います。でも、昔は男が
    オシャレなんて、という時代でした。それがここまで
    解放されたのです。男性が女性のようにモテにこだわっても
    許される時代がくるのかもしれません。
    >オニさんへ
    トリッカーズとは男前!
    では僕はキレイなベルルッティを←嘘です(笑)

  • 「モテ」っておもしろい言葉ですよね……
    「ウケ」とにてるけれど微妙に違って。
    本質的には同じかな、と思うのですが。
    どこかで見た事ある名前だと思ったら、この先生の授業取ってました。
    すごく面白い方ですよ。

  • 「モテ」っておもしろい言葉ですよね……
    「ウケ」とにてるけれど微妙に違って。
    本質的には同じかな、と思うのですが。
    どこかで見た事ある名前だと思ったら、この先生の授業取ってました。
    すごく面白い方ですよ。

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