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男はなぜ腕時計にこだわるのか (セオリーBOOKS) 並木 浩一 講談社 2008-08-06 |
Yahoo!知恵袋で「なぜ人(特に男)は腕時計にこだわるのですか??? 」という
質問があったのですが、そんなのは、山と同じで「そこに時計があるから」
に決まっています。男のロマンです(笑)というのは半分本気で
半分冗談なのですが、時計は男性が唯一といっても過言ではない、
万人に許されるアクセサリー(貴金属)ですよね。女性の宝石と同じで、
ファッションよりもステータスという意味合いが強く、
ブランドの取捨選択で自分の趣味志向や価値観を主張するアイテムでもあります。
ファッション(服)があくまで、そのデザインやスタイリング
(時には着こなしの教養)で勝負するのに対し、時計はどこまでいっても、
ブランドのステータス(≒イメージ)とモデルのスペック
(車のエンジンのごとく時計にもムーブメントの薀蓄などがある)が
重視される世界です。それだけに、高級時計を買う際は、
ブランドの立ち位置やスペックを把握した上で買わないと
失敗するのですが、それらがよくわかるのが
本書『男はなぜ腕時計にこだわるのか』です。
第1章 賢い経営者はプラチナの時計をする
第2章 1000万円の時計にもちゃんと理由がある
第3章 あのスーパースターにわが社の時計を!
第4章 高級腕時計人気ブランド80の特徴と持ち主
第1章は腕時計のステータスの説明です。歴史を紐解き、
どのような過程を経て時計がステータスとなっていったか、
パテックフィリップのステータスがいかに高いか、
医者がロレックスを好むのはなぜか、時計マニアの
聖地(マニアは買う場所にもこだわる)はどこかなど、
高級時計の世界観の概略が語られます。ただ、歴史の
説明にもう少しページを割いて欲しかったのが残念。
特に世界大戦と航空機の話は読みたかったなと。
ブライトリング、IWC、ハミルトンなど、ネタはたくさん
あると思うのですが。
第2章は腕時計のスペックについて、ムーブメントと
クオーツ中心に言及しています。なぜスイス製が多いのか、
なぜこんなにも値段が高いのか(職人と給料の話)、
時計の値段を跳ね上げる機能にはどんなのがあるのか(トゥルービヨン、ミニッツリピーター、
永久カレンダー)、フランクミュラーの機能性の凄さ、
スーパークオーツの存在などの薀蓄が次々と語られるのですが、
この章では、「スペックの割りにリーズナブルなブランドと
そのモデル名」が挙げられているのが良かったですね。
特に『オメガ』の中でも手巻きの「スピードマスター・プロフェッショナル」は、
『レマニア』製のムーブメントを搭載していながら30万円台から。
『レマニア』のムーブメントは年々希少化しているので、いまが
買いどきかもしれません。
こんな感じで、具体的に理由まで述べられているので、
とても参考になります。ステンレス製でも150万円すると
いう割高なエルメスの話まで載っていて、面白かったです。
第3章はブランドのイメージ戦略について。M&A、セレブ戦略、
オリンピック効果、広告の打ち方などが時計業界事情と共に説明されます。
このあたりは腕時計に限らず、いわゆるラグジュアリーブランドにも通じる話です。ブレゲの話が面白かったくらい。
第4章はブランドカタログです。80ブランドが載っており、
ポジショニングマップ、歴史と簡単な立ち位置の説明、価格帯、
知名度、希少性、歴史と伝統、ビジネス度、モテ度の5段階評価、
ほめるポイント、買わないわけ等、いろんな角度から分析しています。

これは私が好きなブランド、タグホイヤーのステータスです。ブランドの立ち位置はマトリクスを見えれば一目瞭然で、評価も5段階評価なのでわかりやすいですね。「ほめるポイント」には「スポーツマンならこれしかないブランド」、「買わない言いわけ」には「クオーツと間違えられると嫌だから」とブランドのちょっとした特徴がキャッチーに書いてあります。確かに高級ブランドにしては、クオーツを多数リリースしている気がしますが、あまりの一刀両断ぶりに笑ってしまいました。この「買わない言いわけ」は他のブランドでも、例えば、フランクミュラー「成り上がりだと思われたくないんです」、
ハミルトン「ジェームスディーンなら似合うけど・・・」、
ブライトリング「メカっぽさが強すぎて好みに合わない」
といった感じで容赦がありません(笑)「ほめるポイント」も
ほめているようで皮肉っている感じもしますし、
「ほめるポイント」「買わない言いわけ」、そのどちらにも、
著者の本音がうっすら見えるのが面白いです。
時計と似たような性格のアイテムに靴がありますが、製法とかにも
こだわった、いわゆる本格靴となると、エントリーモデルで
5万円前後します。高いです。しかし、時計となると、
値段がその10倍以上になるんですよね。もっと高いです(笑)
時計だと50万円が1つの目安になっているようですが、
これにはまると、とんでもない散財になるので、欲しくならないよう、
なるべく情報を遠ざけております。それでも、そのうち欲しくなることは
目に見えているので、その時は、本書の第4章を参考に検討しようと
思います。
本書は、腕時計に興味を持ち始めた人には、第4章が
心強い味方になるでしょうし、腕時計に詳しい人も、モテ度などの評価、
著者の本音、薀蓄が楽しめます。腕時計に興味がなく
「なぜ男性は腕時計にこだわるの?」と疑問に思っている人も、
第1章で腕時計の、男の、スノッブの、世界が覗けますので、
わりと万人にオススメの一冊です。

コメント
コメント一覧 (4件)
日本のおっさん金持ち芸能人(成金ぽい人ほど)はなぜかロジェ・デュブイをしてる気がして、そのせいかロジェ・デュブイ=成金時計というイメージが(笑
まぁ実際ゴテゴテしてるし下品と言えば下品だし実際海外でもそういう扱いに近い気もしますけどね。「成金度」とか「下品度」みたいなパラメタもあればいいのに。下世話なところでは「換金度」とか(ロレックスとパテックがトップでしょうけど)
タグホイヤー
承太郎ですね。わかります。
>ブライトリング「メカっぽさが強すぎて好みに合わない」
だがそこがいい!!
先日ブライトリングを買いましたよ
あらゆる手を使って割引して、かろうじて100万切った・・・
パネライをよくはめてますが
大型ケースのトレンドはもう定着してますねえ。