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STUDIO VOICE6月号はヴィンテージ特集

STUDIO VOICE (スタジオ・ボイス) 2009年 06月号 [雑誌] STUDIO VOICE (スタジオ・ボイス) 2009年 06月号 [雑誌]

INFASパブリケーションズ 2009-05-07
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いくら精密に複製を作っても、オリジナルが漂わせる風格にはかてない。そして時代を
感じさせるてざわりもまたアジという名の進化であると僕らは知っている。流行りの
ファスト・ファッションなら今の気分を着こなすことができるかもしれないが、
服そのものが持つ魅力に触れることができるのだろうか?オリジナリティを、
つまり「ヴィンテージ」だと感じる。それはいわゆる希少で高額なものばかりとは限らない。
アナログからデジタルへの奔流によって、利便性と引き換えに失ったものを再考することであり、
環境への配慮が問われる時代であるから、身の回りに埋もれたものに再び光をあてることでもある。


 STUDIO VOICE 6月号
はヴィンテージ特集です。服だけではなく、雑誌、建築、音楽、
家具、といろいろ取り上げられています。服に関してだと、マイフリーダムの田中凛太郎氏、アンダーカバーのジョニオ氏、人気スタイリストのソニアパーク氏、クラプトンも訪れたヴィンテージTシャツの専門店ハローテキサスなどがヴィンテージの魅力を語っております。いい特集なのでファッション好きなら必読でしょう。




 ヴィンテージについて語ろうと思っても、これがなかなか難しいんですよね。そもそもヴィンテージとは何か。それを明確にしないといけないと思うので。定義なんてないに等しいのですが、一般的には、
80年代や90年代はレギュラー(オールド)で、70年代くらいからヴィンテージとして扱っているお店が多いように思います。70年代も80年代も古いものには変わりないのですが、ファッションの歴史を紐解きますと、80年代のライセンスブームくらいから、ファッション業界の商業主義の風潮が強くなっていきます。広告費に力を入れ(その分のしわ寄せは品質に)、コストを下げて(工場をアジアに移す/凝ったディテールを廃止)、売れる服(無難なデザイン)をつくる。つまり、ファッション好きにとって、つまらない服が増えていくことになるので、そこに「古き良き時代」という線を引いているのです。有名なところだと、コンバースオールスターの当て布(補強用の布)の廃止(80年代前半までついていたディテール)がありますよね(当て布がついていたらヴィンテージ扱い)。


 それか、50年代、60年代くらいの大量生産が始まる前の服がヴィンテージという人もいます。主に、一人一人のために作られている服なので、大量生産の服と比べ、ディテールやパターンの作りこみが当然違いますし、その多くが手作業なので、仕事の丁寧さも違います。そのぬくもりに惹かれるわけです。だから、ここに「大量生産前」という線を引くのですね。


 もちろん、古ければ何でもヴィンテージというわけではなく、希少な価値となるディテールを備えているかいないか、で、ヴィンテージか否か決まってくるのですが、そのディテールを押さえている人がどれだけいるのか、という話ですよね(笑)だから、ヴィンテージは奥深く難しいのです。そして、一度はまると、なかなか深みから抜け出せず、違いがわかるようになればなるほど、ヴィンテージの魅力に取りつかれていくわけです。


 ただ、その領域にまで辿りつくのが大変なんですよね。ヴィンテージは要求される知識のレベルが高く、ついでにお値段も高いです。その敷居の高さに見合う魅力や価値が、はたして、ヴィンテージにはあるのか、と問われると、返答に困りますが、そんなのに魅力なんて感じない、というのが今の若者なのでしょう。


 大阪のアメリカ村は全国有数の古着屋天国みたいなものだったのですが、この10年で本当に数が減りました。原宿や渋谷まで進出した、LOVEBUZZという、アメ村で1位、2位を争う有名店もありましたが、皆さん、覚えていますか?LOVEBUZZはアメ村から北堀江に移転したのまでは私も知っていますが(渋谷と原宿店をいつ閉めたのかは知りません)、
その後、難波の港町にお店を移し、今はWEBでの販売のみになっていました。少し前まではこれだけの古着屋があったのですが、閉店してしまったり、WEBだけになったり。昔ながらのオーソドックスな古着屋がどんどん消えていっているのですが、そんな中、まだ元気なのが、chokichoki系(サロン系)に支持されている古着屋です。


 chokichoki系の古着屋は、「古着であること」に重点を置くのではなく(年代や特定のアイテムにこだわったりするのではなく)、デザイン、サイジング、値段(安さ)重視のお店です。古さを感じさせず、今風のかっこよさを古着から安く作りだす。あくまで古着はオシャレの手段で、古着風のオリジナル商品やリサイクル品(ハイブランドの古着)でもかまわないというスタンスです。最近、こういうお店が増えていて、全国チェーン店、例えば、ハンジロー、WEGO、DEPT等も古着よりオリジナル商品の方が多いのではないか、というほど、オリジナル商品と古着の割合が逆転しています。以前は、大量の古着の中からお宝(ヴィンテージ)を漁る楽しさがあったのですが、今は、置いてある古着の数自体が少ないですし、古着にオリジナル商品も混ざっているので、探す手間暇が倍増した割に、実入りが少なく、古着好きとしては悲しい限りです。


 デザイン、サイジング、値段重視の服なら、ファストファッションがあるので、古着屋には古着のアイデンティティを追求して欲しいと思いませんか?上手く言葉にはできませんが、古着屋までファストファッション化しているようで、なんとも複雑な気分なのです。それが悪いとは思いませんし、そういう時代だとも思いますが、古着は表面的な要素(オシャレの手段)だけではなく、服やデザインのオリジンを辿ったり、凝ったディテールから何かを発見したり、その時代の雰囲気を纏ったり。そういう楽しみ方もできますし、それこそファストファッションやモードにはできない、古着の醍醐味だと思うのです。
ファッション誌は「古着=安い」「古着=1点もの(人と被らない)」「古着=アジ(ダメージ)が素敵」と、そういう面ばかり、アピールしていますが、もっと、ヴィンテージの良さを、古着にしかない魅力を
伝えていかないと、古着屋の先細りは避けられないと思います。古着好きとしては、それは困りますので、これからも、私物の古着をちらほら紹介したり、古着の魅力をできる範囲で伝えていきたいと考えていますが、とりあえず、STUDIO VOICE 6月号
のヴィンテージ特集は面白いので、皆さんも読んでみください。






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この記事を書いた人

コメント

コメント一覧 (5件)

  • なかなかいいシャンブレーシャツが見つからなくて…
    一昨日いい感じでお気に入りのウエスタンシャンブレーシャツを着ようと思ったらスナップボタンが…
    うーん替えのボタンは首元のしか着いていなくて…
    まぁそんなに高くなかったけどショックでした…

  • 梅田のWEGOは2つとも新品だけの取り扱いになってしまいましたね
    アメカジで生き残ってる古着屋ありますし…経営の仕方や時代の流れで古着屋が淘汰されただけではないですか?
    客の目が肥えていくと適当な店には行きませんし…
    古着教育としてカジカジに頑張ってもらいたい
    昔は後ろのページにウンチクが載っていたような気がしますが今は無いですよね…
    若い子がカジカジ立ち読みしてるとこあんまり見ないし…
    チョキチョキTUNEは強いなぁ

  • 過去の古着の「自分にだけは分かる」もしくは「分かる人には分かる」ファッションから、「みんなに分かる」ファッションに変化してるんですね
    定番文句のモテじゃないですが、ヴィンテージって値段に対して女の子受けは悪いですから、一般的な需要って低いでしょうし
    (服オタの男にはモテアイテムなんですがね)
    さらに大きな企業の利益にならず広告が打たれないヴィンテージが再びメジャーに上るの難しいんじゃないかと

  • 自分もそうですが、ヴィンテージ好きの人って、別に他人からお洒落だねって言われたいわけでもなく、そういうことにはあまり関心がない人が多いと思う。
    つまり、ファッション好きというより、純粋な洋服好きなんだと思う。

  • 初コメです。
    すごく考えさせられました。
    まだ二十歳なんで、ヴィンテージブームの終焉期が僕の思春期だったわけですが、なんだか古着屋もつまらなくなりました。
    「探す楽しみ」がなくなり、良いものは相当の値段がつけられ、店内の高い所に飾ってある、値札に事細かにランク(赤耳、70年代等)が記入されてある、なんだかもう純粋に良いもの、自分の感性に引っかかるものを探す楽しみを余計なものに邪魔されている気がします。

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