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ファッション・ライフのはじめ方 (岩波ジュニア新書) 高村 是州 岩波書店 2010-10-21 |
セール、立ち上がり、ミラノ・パリコレ開幕。1月はイベント盛り
だくさんで今年一年はどんなファッションでいこうかなと考え始める
時期だと思いますが、そんな皆様に是非目を通して欲しいのが
本書『ファッション・ライフのはじめ方』です。
内容を一言でいえば「脱オタファッションへの手引書」という感じですが、
服オタをこじらせた方々を反面教師に執筆している節がありますので、
脱オタを目指す人が読んでも服オタが読んでも楽しめる本となっております。
著者は『ザストリートスタイル』で知られる高村是州氏。
岩波ジュニア新書なので中学生向けに書かれた本ですが、
これが結構いいことが書かれておりますので、
今回は皆さんにいくつか本書のアドバイスを紹介したいと思います。
■コーディネートとスタイリングの違い
まず最初に、コーディネートがあります。日本語でいうと「着まわし」です。
これは「何」を着るのか選ぶことです。<中略>次に、選んだコーディネートを
スタイリングします。日本語でいうと「着こなし」です。
これは「どのように」着るかを考えることです。
コーディネートとスタイリング。ファッション好きでも意識して
言葉を使い分けている人は少ないのでは?むしろ意味が違ったんだ?
という感じではないでしょうか。
このブランドにはこのブランドが合う。プレッピーだからアイテムはBDシャツにチノパンで。
このように組み合わせを考えるのがコーディネート。男性はこれで終わって
しまいがちですよね。しかし、ファッションの本質はスタイリングの方に
あると著者は主張しております。パンツを履く時の腰の位置、
ロールアップの幅、Gジャンのボタンの留める位置などいわゆる
「ニュアンス付け」というのがスタイリングです。
サイジングや全体で見たときのシルエットにも直結するので重要とのことです。
女性誌やティーンズ向けの雑誌にはよくスタイリングのテクニックが載っておりますが、
大人向けの男性誌には服の蘊蓄かブランドに関する話しかほとんど
出てきません。大人になってからファッションに目覚め
垢抜けきれない男性はこのスタイリングという視点が
抜けているのかもしれませんね。
■20%の法則
100%だと新しすぎて過去の自分を全て捨てたことになる。
今までの自分を8割方残しつつ、ちょっと新鮮なアイテムを
取り入れることで、まわりの人はその「新しさ」を
「おしゃれ」だと感じるのです。全身のシルエットの中で20%にあたる分だけ、
新しい服を取り入れてみてください。それだけで十分に「イマ」を取り入れられて、
おしゃれになれますよ。
よく言われることですが、ジャケット、コート、パンツ、シャツなどの
アイテムはトレンド面から考えると5年が寿命と言われております(古臭くなる)。
だから、毎年、少しずつ服を新陳代謝していくのが良いと著者はアドバイス
しているのですね。クローゼットにある80%の服は今までの選択の積み重ね、
言い換えると自分らしさとも言えるので、好みのテイストが変わった、
もしくは脱オタを目指すからと言って服を全て捨てて1から揃えるのはもったいないです。
ブランドの服は、同じブランドのアイテムと一番相性がいいんです。
だから、同じブランドの服で頭からつま先までそろえる、
という着回しをする人もいます。でも、それは20%ではなく「100%」ですよね。
これではせっかくのキャラから離れてしまいます。
場合によっては、似合わなすぎて、最先端の服でありながら
「イマ感」から離れてしまうこともあるんです。
服オタの中には全身を最先端のブランドで固め、次のシーズンになると
前期の服をほとんど売ってまで最先端の服で固めるという服の新陳代謝が
異常に早い猛者もおります。トレンド色が強いハイブランドの服は普通の服と
合わせにくいので、シーズン度にクローゼットを一新し続けるのは合理的と言えば合理的ですが、
ファッションライフを長く楽しみたいのなら20%の法則で緩く行く方が良いでしょうね。
立ち止まって後ろを振り返ったとき何も残っていなかったり、
クローゼットの構成がボロボロだったりすると空しいだけです。
■人に「どう?」と聞く勇気を持つ
ともかく「考えて」服を選び、「考えて」服を着こなすことです。
そして何より大事なことは、そうやって「考えた」自分のスタイルを、
人に「どう?」と聞く勇気を持つことです。<中略>
鏡の前では、だれでもつい無意識に「一番良い自分」だけ確認してしまって、
全体的でなく部分的しか見ていないものなんです。
あるあるネタですね(笑)試着したときは良かったのに・・・という場合、
結構な確率でこれです。「オシャレは自己満足」なので人に聞く必要はないと思うかもしれませんが、
「見られている」という内面の意識の高さは外見に反映されるので、
「オシャレは自己満足」と開き直って「見られている」ことから逃げると
バランスが崩れ極端に走ってしまうんですよね。
自分を隠すファッションと、自分を過剰に出すファッション。
これは、表裏一体です。どちらも同じ「自意識過剰」の
表れ方の別な姿と言えます。自意識過剰というエゴが、
ファッションのアンバランスとして外見に出てしまっているのです。
男性もモテ視点は低俗だと決めつけず、女性の意見を聞くことも大切かと思います。
私も女性によく意見を求めてはボロッカスに叩かれるんですけど、
傾向としては組み合わせではなくスタイリングへのダメ出しが多いですね。
バランスのとり方がおかしい。小物の使い方が下手くそ。
配色が地味。だいたいこのあたりが多いです(笑)
女性はスタイリングが巧みな方が多いので意外と参考になりますよ。
他にもシルエットの変遷、女性がオシャレな理由、制服を着た女性がかわいく見える理由などなど
紹介したい話はたくさんあるのですが、続きは本書をお読みください。
本書は一貫して「ファッションを考える」ことの大切さを説いているのですが、
鷲田清一氏の「ファッションと哲学」シリーズを読む前の本としてもオススメです。
「雑誌はなんでイケメンばかり?」「どうして服は個性を表すようになったの?」
「服の流行って繰り返すみたいだけどどうして?」等々。一章のQ&Aコーナーで
簡潔に答えが書いてありますが、意外と答えられる人って少ないのではないでしょうか。

コメント
コメント一覧 (9件)
スタイリングできてない男、多いですねー。
ファッションは着こなして成立するのに、って思います。
他人に聞くというのはもっともですが、男より女の子に聞く方が正しい評価はしてもらえると思いますね。
男の評価ってトンチンカンなことが多い(笑)
女の子は的確な指摘をしてくれることが多いけど。
でも、ちゃんと評価してくれる女の子の友達を作るのが大変なわけで。
この本は良い本ですよね。過剰に自意識を刺激することなく、ポジティブにしてくれます。
女性に聞く方が的確な指摘??
一概には言えないと思うんですけどね~。
女性の服装は回転が速いので、
その時の流行に左右されすぎて・・・。
単純に女性と男性の良いと思うポイントが
違うと思います。
コーディネートが上手な方には女性が
多いというのは同意です♪
>せきのさんへ
本音でダメ出しをしてくれる女性の友達を
作るのは確かに大変かも^^;
>酉さんへ
これは良書ですよね。
多感なティーンズには是非読んでほしいです。
>グランドゲシルさんへ
女性の意見が正しかろうと間違っていようと
自分とは異なる視点を知ることは大切ですよね。
最近デカルナンの画像を見ることがあって「あああのアイテムにこんな使い方があるんだ、ていうかあんなことしていいんだ」って目から鱗が落ちましたね(今までモデルの画像もまともに見たことが無かったので)
自分を含めて、男の人は結構『無難』を選ぶ傾向が多い様な気がするんですよね
だから与えられた素材を調理せずにそのまま提供してしまう、いい服を着てもどこか垢抜けなかったりするのはそのせいもあるのかもしれないですね
20%の法則ですけど50%ぐらいまでなら
十分、過去の自分らしさを残せると思いますけどね~
下半身でしか物事考えてないんだな
モテるものじゃなくて自分が着たい物を着ろよ
記事を読み買って読んで見ました。
基本中高生向けに書かれてるので読みやすいですね。
タイトル通りの内容で、daleさんがおすすめされてる理由がわかります。
ただ、おすすめアイテムがちょっと中高生向けじゃない気もしますが、こんなもんなんでしょうか
>最近デカルナンの画像を見ることがあって
その調理の仕方がセンスなのでしょうね。
男性の方は調理すらしようとしないのでもったないです。
>スネークさんへ
服好きになるほど50%を毎期入れ替えるのは大変ですよ(笑)
>下半身でしか物事考えてないんだな
それでもいいじゃない!
>d.さんへ
オススメアイテムは僕も中高生向けではないと思いますが、
当たり障りのないセレクトよりこれくらい著者の好みが強く出ているハウツーの方が
個性を大切にする本書の趣旨に沿うのかなと。