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ラグジュアリーブランドの対極はファストファッションではない『NAKED FASHION』


NAKED FASHION ―ファッションで世界を変える― おしゃれなエコのハローワーク
NAKED FASHION ―ファッションで世界を変える― おしゃれなエコのハローワーク

サフィア・ミニー(ピープル・ツリー/グローバル・ヴィレッジ代表) 発行:フェアトレードカンパニー株式会社

サンクチュアリ出版 2012-10-03
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 日経ビジネス11月5日号はラグジュアリーブランドに代わり世界を圧巻するファストファッション特集。
その安さを支えるバングラディッシュのルポが掲載されており、
シャツやズボンの加工賃は1着あたり1.5ドル程度で、法定最低賃金は月額3,000タカ
(約3,000円)とコスト面の魅力が説明されておりました。


 衝撃的な数字ですが、今回取り上げる『Naked Fashion』にはさらに細かい数字が記されており、
1日12時間労働で週7日勤務の残業代込みで2800タカ、2010年時の最低賃金は1660タカ、
そして視力が衰えていない16歳が適齢年齢で(35歳以上は年を取りすぎ)、
児童労働が当たり前になっているという過酷な労働環境を紹介しています。


 痩せすぎモデル問題の裏で児童労働で痩せすぎている女性がいるという現実。
本書『Naked Fashion』はきらびやかなファッションの裏側を取り上げ、その問題点、
解決策、エシカルファッションに取り組んでいる著名人(坂本龍一、小林武史、
レスリー・キー、ヴィヴィアン・ウエストウッド、ツモリ・チサト、エマ・ワトソン他50名)の
声をまとめた一冊になっております。著者はフェアトレードの専門ブランド「ピープル・ツリー」代表サフィア・ミニー氏。
グローバルなファッションブランドのイメージに魅了されている世界に警鐘を鳴らしています。





<目次>


CHAPTER1 ファッションの裏側

CHAPTER2 フェアトレード:問題解決の糸口

CHAPTER3 メディアの役割と意識の改革

CHAPTER4 ファッション業界のモデルの改革

CHAPTER5 サステナブルな世界をデザインする

CHAPTER6 生産現場から販売をフェアに

CHAPTER7 エシカル・ファッションのパイオニアたち


 エシカルファッションは2007年くらいから聞くようになってきた言葉でメディアに
頻出するようになったのは2010年前後です。エシカルを構成するフェアトレードの
認知度はイギリス80%越えに対し日本ではわずか20%程度。エシカル?エコ?
フェアトレードって何?という人のためにキーワードを簡単にまとめてみました。



【キーワード】


・エシカルファッション⇒環境保全、社会貢献、途上国支援を念頭においたファッション


・フェアトレード⇒人と地球、そして利益を同等に扱う。一般的な意味は途上国支援


・バングラディッシュ⇒安さで勝る国は当面現れない。ファッションの真のコストは人


・エコファッション⇒地球にやさしいファッション。エゴと対立させ利他主義で使われることも


・オーガニックコットン⇒従来のコットン栽培では農家と環境にダメージ(農薬と水の消費量問題)


・サステナビリティ⇒ロハスの「ス」。持続可能なのが良い(服、肉体、デザインが長持ち)


・アップサイクル⇒古着の積極的な活用、質を上げながら再利用・リメイク


 どれも似たようなことを言っているのですが詳しくは本書をお読みくださいませ。
要は従来のファッション、すなわち、無駄な贅沢、速すぎるトレンド、過剰な細さ(ボディ・ファシズム)、
スタイルの画一化(没個性)、見栄や競争、大量生産・消費を良しとしないのが
エシカルファッションに関する一連の考え方です。



 2009年に『堕落する高級ブランド』
というラグジュアリーブランドの裏側を暴露した本が話題となり、今ではすっかりラグジュアリー
ブランドが牽引してきた従来のファッションはダサい、安くてお洒落なファストファッション
こそクールという風潮になり、ファッション誌を開けばその特集ばかり組まれておりますが、
従来のファッション(≒ラグジュアリーブランド)の反対はファストファッションではありません。
どちらかと言えばエシカルファッションです。


 それがよくわかるのが『Naked Fashion』のインタビュー、
キャリン・フランクリン氏(著名なファッションコメンテーター)のページです。



-新しい独立系ブランドやエシカルブランドにとって、一番の問題はなんだと思いますか?-


一番の問題は、巨大ブランドと同じ市場で勝負しなければならないことです。
小さなブランドは、仕入れ先やスタッフの顔をよく知り、最終製品の仕上がりにも配慮しています。
一方、巨大ブランドの多くは、商品や製造者に対して人間味のある配慮を示すことはありません。
しかし消費者のほとんどはその違いを知ることもなく、安価な値段と華やかな見かけを優先して、
巨大ブランドを選んでしまうのです。<以下略>


ラグジュアリーだろうとファストだろうと、商品の値段と質に差こそあれ、
結局は巨大ブランドの巧みな操作で我々は選ばされているにすぎず、
ビジネス化したファッションの呪縛に捉われたままだということです。
キャリン・フランクリン氏曰く「ファッション業界の作戦にまんまとひっかかっている」。


 本書はトレンドを追いかけ、細さや美しさを追求し、ブランドの世界観に浸る
というファッションの楽しみ方をしている人には相容れない価値観かもしれませんが、
ラグジュアリーブランド⇒ファストファッション⇒エシカルファッションという流れを感じますので、
こういう考えや動きがあるということを知っておくのも良いのではないでしょうか。
古着、独立系ブランド(マイナーブランド)、Made in Japan(職人の手作業)に
目を向けるファッション好きが一人でも増えることを願っております。






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この記事を書いた人

コメント

コメント一覧 (3件)

  • 長く着れて、天然のいい素材を使った、着ていてストレスにならない
    そんな服が欲しい

  • 極端にトレンドに左右されない小物や靴はこだわった物を持っていたいなー。
    最近はタンニンなめしの革製品が大好物です。
    「隣もデニムは青い」企画に触発されてデニムでも育てようかと思う今日この頃。

  • 僕の手袋はイタリア製で、手造りだよ。こういうのは、個体差があって、左右が必ずしも同じ大きさにならなかったりする。
    日本の職人さんは、きっちり作るんだよね。最近買った平野ブラシとモーブレイのコラボのスエード用ブラシは見事だった。
    こういうのを手に入れると、なんだか嬉しくなるね。

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