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ボク達の超B級アーカイブ 玉木 朗 光文社 2013-08-31 |
高級ブランドと高級レストラン。ファーストフードとファストファッション。
ではラーメン、カレー、焼きそば等のB級グルメに対するB級ファッションはあるのか?と考えると、
意外とないと思いませんか?しいて言うならアメカジ(ワーク系)でしょうか。
ファッション誌の特集や書籍で業界人が私物のコレクションをよく紹介しておりますが、
だいたいハイブランドのイットアイテム、オンブックのヴィンテージ、
誂えたスーツ・靴が中心でミシュランで言うところの星付きばかり。
読み終えると羨ましさと嫉妬で複雑な気持ちになります(笑)
と、そんなA級アイテムばかり取り上げたガイドブックが本屋に並ぶ中、
光文社から『ボク達の超B級アーカイブ』が発売されました。
著者は三軒茶屋セレクトショップSEPTISのオーナー玉木朗氏。
Beginでおなじみの綿谷画伯&いであつし氏のコンビと付き合いが深く、
商品知識(うんちく)が豊富なのでファッション誌にも度々登場する方です。
内容はSEPTISホームページで連載していたブログが本になっただけですが、
写真はプロのカメラマンが撮り直し、
文章も玉木朗氏がリライトしているので、ブログを読んでいた方も
楽しめるようになっております。
登場するアイテムはバラクータのG9、アイゾッドラコステのポロシャツ、
ファーラーのフレアパンツ、ケニントンのシャツ、オシュコシュのバンダナ、
コンバースのオールスター、ビックマックのネルシャツ、ブルックスブラザーズのBDシャツ、
キャンプセブンのダウンベスト、セバゴのローファーなど33アイテム。どれも現行品ではない当時の現物、いまならヴィンテージやオールドと呼ばれるモノたちです。古着屋に行けばメジャーアイテムで、ブルックスブラザーズやバラクータなど
A級のブランドも中には混ざっておりますが、
読み終える頃には確かにこのマニアックなセレクトは著者の趣味が色濃く反映された
B級アーカイブだなと納得いたしました。
本書の良いところは何と言ってもまずそのうんちく力。トップサイダーの
ヒールパッチの変遷を写真付きで解説していたり(普通はチャックテイラーでこれをやる)、
ラングラーの兄弟ブランドマーベリックの方をフィーチャーしていたり、
ローファーの原型と名付けブランドをセットで取り上げていたり、
アイゾッドラコステのワンポイントが「青ワニ」なのはワンポイントのふちの白、
ワニのボディの青、口の赤で配色トリコロールとなりフランスを
意識していたのではないかと分析していたり。
とにかく視点がマニアックで読み応えがあります。
それともう一つ。本書は著者の青春回顧録にもなっており、
当時何を合わせていたのか、どういう風俗だったのか、単なるアイテム紹介だけではなく、
その時代の空気とセットでその良さを語っているので深みがあるのですね。
綿谷画伯&いであつし氏との鼎談、Mr.SHIPSと呼ばれていた中澤芳之氏との
対談も収録されておりました。

その時代の空気とはアメ横の空気のことなのですが、著者がアメ横のる~ふで働いていた
70年代中頃から80年代はアメ横がアメトラ・アメカジの最先端だったのです。
JJを愛読しているような女性も来ていたようで、
そのあたりの話も本書には出てきます。画像は86年のMEN’S CLUBです。
「アイビーは上野から始まった」特集が組まれております。
今のPOPEYE発のシティーボーイ(アメトラ・アメカジ・プレッピー・ヘビアイ)も
アメ横のDNAを受け継いでいると言っても過言ではないので、
若い方も読んでみると楽しめる一冊かと思います。

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