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IVY ILLUSTRATED―絵本アイビーボーイ図鑑 穂積 和夫 愛育社 2003-09 |
今期はアメトラ(アメリカントラッド)が注目を集めて
いる影響で、どの雑誌を開いても「アイビー」と
「プレッピー」というキーワードを見かけると思います。
アイビーとプレッピー。雑誌で使われている
アイテムやスタイリングを見れば、なんとなく違いが
わかると思うのですが、アイビーを感覚で捉えては
いけません。「おしゃれをすることはごく自然な行為で、
そこには文法などあるはずがないと思っていた。ところが
アイビーには文法がついて回っている」と
『アイビーの時代』
でくろすとしゆき氏が述べているように、
アイビーには細かいルールがあるのです。その薀蓄にも
似たルールを覚えるのが、アイビーをマスターする
近道です。細かいルールについては『IVY ILLUSTRATED―絵本アイビーボーイ図鑑』を是非、読んで欲しいのですが、
今回は大まかにアイビーとプレッピーの違いについて、
言及したいと思います。では、まずはアイビーに
ついてから。
■アイビーはエリートのファッション
「アイビー」は、一般的には、アイビーリーグ
(ハーバード、イエール、プリンストン、ペンシル
バニア、ブラウン、ダートマス、コロンビア、コーネル)
の8大学の校舎がアイビー(植物のツタ)で覆われていた
事からついた名称で、彼らのカレッジライフから生まれた
質実剛健のファッションのことを言います(アイビーの
語源はINTER-VARSITYという単語に由来するという
板坂元説が有力)。
アイビーリーグの学生から何人もの大統領や政財界の
重鎮が輩出されていることからもわかるように、アイビー
リーグはエリートの代名詞。それがもっともよく現れて
いるのが、アイビーの象徴とされるBDシャツ
(ボタンダウンシャツ)です。
そのBDシャツを考案したのが、ご存知、ブルックス
ブラザーズで、ブルックスブラザーズといえばBD
シャツです。社会学者のC.W.ミルズは
『パワーエリート』の中で「ニューヨーク以外に
4店舗しかないし、広告もしているわけではないが
全米の都市で知られている。なぜならエリートの
ステータスだからだ」とブルックスブラザーズについて
評しています。今では「ブルックスブラザーズ=エリート」
というわけではありませんが、当時のアメリカでの
BDシャツはエリートであることを示していたのですね。
だからこそ、BDシャツを着るのです。アイビーとは
エリートのファッションだからです。
そして意外と思われるかもしれませんが、
エリートとエレガントの語源は共にラテン語の
「eligere」で、元の概念は同じです。「エレガントとは、
いつの時代でも、余分なものを廃し、すっきりとまとめ
あげられた形をいう」と服飾評論家の故・落合正勝氏が
エレガントの定義づけをされているように、華美ではなく、
地味で保守的なスタイルがエリートの基本です(アメリカ
では流行の服や有名ブランドの服でこれ見よがしに
着飾るのは、上流階級の人間として相当
恥ずかしいこととされています)。カジュアルに
緩くまとめていたとしても、それは無頓着を装って
いるだけです。エレガント、
正統という類の要素を忘れないのがアイビーなのです。
それは『TAKE IVY』の一節にも現れているので、
アイビーの説明の締めとして引用しておきます。
「校内は勉強をする場なのだから服装はさまたげに
ならないだけ自由に、そしていったん社会の中にでるとき
には世間共通の服装ルールを正しく守ろう、というのが
アイビーリーガーズの本来の服装感なのです」
■プレッピーとアイビーの違い
アイビーの説明が長くなりましたが、次はプレッピー
について。プレッピーとはアメリカの大学進学の
予備校的な私立高校、プレパラトリースクールに
通う高校生たちの服装から生まれたファッションで、
アイビーの弟分的な存在。基本的にはアイビーと同じ
ですが、プレッピーは高校生が中心なだけに、
アイビーより若々しく自由な感じのスタイルです。
彼らはアイビーリーグの大学に通っていた親たちの
子供で、幼い頃からエリート教育を受けています。
その反動からか、彼らは紺ブレにポロシャツを
合わせたり、シャツをパンツの外に出したり、
パンツの丈を短くしたり、裸足に靴を履いたり、
お下がりをリペアして着用したりというような、
いわゆる「バンカラ」気質も備えています
(TPOはわきまえている)。これがアイビーとの最大の
違いです。簡単にいえば、「アイビー=正統派」
「プレッピー=着崩し」という感じでしょうか。
その違いがもっともよく現れているのがジーンズ
だと思います。50年代後半までアメリカの学校には
ドレスコードがあり、「本来は作業着」という理由で
ブルージーンズを禁止していたんですよ。アイビーは
エリートであり保守的なので、カウンターカルチャーの
代表的アイテムである、ブルージーンズを
日常着以外では着用しなかったそうです(着用していた
のはホワイトジーンズ)。その作業着とセグメント
されていたブルージーンズが、プレッピーでは主役に
なるのですから、さすがバンカラ気質といったところ
ですよね。
【参照】Boon6月号「IVYスタイル徹底講座」

コメント
コメント一覧 (4件)
そんなアイビー・プレッピーの中で、家の親父が
「アイビー アイビー 俺はアイビールックを昔から好んで着ていたファッションのエリート・・・・・・」
といつも痛いことを言ってる件(汗)
親父はアメトラ復活大歓迎のようです。
今日私は最後の夏日だと思い、
思いっきりアイビー(正確にはグレートギャッツビーの世界観を
プレップな感覚で着崩してみたのですが)でまとめてみました。
周囲の視線が異様に痛かったですが、
でもそんなの関係ねえ!です(笑)
今日見た感じだと、まだ原宿・青山界隈の若い人たちには
アイビーの「ア」の字も見られない感じですね。
恐らく仮にアメトラが受け入れられたとしても、
実際に浸透し始めるのは来年の秋冬以降でしょう。
しかし、トムブラウンのインタビューを読む度に、
この人は本当に良い意味でのアメリカントラディショナルを
コンテンポラリーに体現しているのだなあ、と思います。
彼のコレクションの中にジーンズスタイルが無いのが
僕は凄く好きです。
>エンリケさんへ
トムブラウンは本当によくわかっていますよね。
あれだけアイビーを忠実に再現しながらも、
古さを感じさせないのが凄いと思います。
要は放蕩息子の事ね。