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『TOKYOファッションビル』を読み終えて

TOKYOファッションビル TOKYOファッションビル
川島 蓉子

日本経済新聞出版社 2007-05-22
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 著者は伊藤忠ファッションシステムの川島蓉子氏。
「まち・みせ・ひとの動きから市場を読む」ことを
生業とするマーケター。『洒落男(しゃれお)な時代』では
「ひと」中心にアイビー、渋カジ、ウラハラ等を
振り返りながら、メンズファッションがどこに
向かっているのか、という過去から現在までの
トレンドの流れが簡潔にまとめられているのですが、
本書『TOKYOファッションビル』では、「まち」と
「みせ」を切り口に、どのように原宿と渋谷が
ファッションの街になっていったのかが書かれています。
洒落男(しゃれお)な時代』同様『TOKYOファッションビル』も
基本的には流行の歴史本ですね。


 内容を一部、紹介すると、




・ファッションビルのパイオニア的存在が池袋パルコ


・渋谷パルコが公園通りを作った

・ファッションを見せる場、見せられる場、それが公園通り

・それが現在のストリートファッション、ストリートスナップに?


・“裏”を“表”に取り込んだラフォーレ原宿

・音楽でいうところの、インディーズをメジャーに
する役割を担っていたのがラフォーレ

・コムサデモードもラフォーレに入ったのをきっかけに急成長


・デザイナーブランドをマイナー(裏)の時代から導入
したのがラフォーレとパルコ。表(メジャー)になって
から大々的に展開しはじめたのが丸井

・駅前という好立地とクレジットカード(分割払い可)によって、
デザイナーブランドを世に広めた丸井


・DCブランドを着こなす若者が増え、読んでいる雑誌、着ているブランド、
遊びにいく街などによって、若者にグループができる。

・ファッションビルの売り場がテイスト別にゾーニングされる


・ファッションのライフスタイル化

・アフターヌーンティーが人気

・ファッションビルにインテリアや雑貨屋が入るように


・セレクトショップ台頭。ファッションビルの役割に変化

・DCブランドの「非日常空間」よりセレクトショップバイヤーの「日常空間」
を好む消費者

・ラフォーレも自主編集売り場(セレクトショップ)を作る


・109は「東急」をもじった、10時から9時までの営業時間
という2点からネーミング

・109とトレンドの短サイクル化

・これがファストファッション(ユニクロとか)に繋がる?


・ウラハラブーム

・“裏”は“裏”のままでいいというデザイナーやショップが現れる


 という感じで、パルコとラフォーレ中心に時系列で
トレンド(消費傾向)とファッションビルの動きが
述べられています。



 そして、筆者の一番言いたいことはこれではないでしょうか。



確実に見込める売り上げや集客に基づいて企画された
ファッションビルには、ファッションそのものが
持っているわくわくドキドキ感はのぞめない。
時代の動きを先取りしてお客に伝えようという挑戦が
ないからだ。安定した収益は確保できるかもしれないが、
そのファッションビルの“らしさ”は薄まってしまう。
もっといえば、ファッションビルがブランドとして
認知されなくなっていくと思う。


 要は、最近のファッションビルは、年代やテイストで
区分されたフロア構成や同じような顔ぶれのテナントなど、
どこもが均質化されていてつまらない、と。
そして昔のファッションビルがサブカルチャーを発信する
機能を内在しており、それが街の特徴を創っていったのに
対し、今のファッションビルは“表”だけで構成されて
いるので面白みがないということです。



 なるほどなぁ~と『TOKYOファッションビル』を
読み終えて、頭に浮かんできたのが、アメリカ村の
シンボル、ビッグステップ。ビッグステップも
今は大手セレクトショップばかり入ってますよね。
アメ村のランドマークなのに、まったくアメリカ臭が
しませんし、面白みもありません。ファッションビルが
まちを創る一面もあるそうなので、アメ村全体が
普通の街っぽくなってきた(濃さがなくなってきた)のは、
ビッグステップの影響も少なからずありそうです。



 そのビッグステップですが、テナント収入が低迷し
96億円の負債を抱えているのだとか。どうやら、

130億円超で売却され、新たな商業施設に生まれ変わる

ようですが、上手く立て直され、街も活性化するといいですね。






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