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書評『服は何故音楽を必要とするのか?』

服は何故音楽を必要とするのか?―「ウォーキング・ミュージック」という存在しないジャンルに召還された音楽達について 服は何故音楽を必要とするのか?―「ウォーキング・ミュージック」という存在しないジャンルに召還された音楽達について
菊地 成孔

INFASパブリケーションズ 2008-03
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 本書『服は何故音楽を必要とするのか?―「ウォーキング・ミュージック」という存在しないジャンルに召還された音楽達について
』は
『Fashion News』に連載している、音楽家、
菊地成孔氏のコレクション評(2004S/S~2008S/Sまで)を
まとめたものです。ファッションショーで使われている
音楽を「ウォーキングミュージック」と仮称し、
各ブランドの服や演出とそこで使われている音楽について
考察しています。




 TGC(ギャル系ブランドの祭典)ではモデルが踊るけど、
パリコレクションやミラノコレクションといった
モード(ハイファッション)のショーではモデルが
踊らないという鋭い視点、ファッションショーで音楽を
最初に用いたのは日本といった小話、「バーバリー
プローサムの素晴らしさは、音楽に於ける「音色」と、
服の素材の溢れんばかりの「色」の間に、あたかも
統一言語、もしくは翻訳機能付きマシンでもあるかの
様な奇跡的シンクロにあったと思われます」というような評論。
音楽に関してまったく無知な私でも興味深く読むことができました。
ハウスミュージックについての知識がないので多少辛かったのですが、
菊池氏独特の親しみやすいお茶目な語り口のおかげで、最後まで
一気に読んでしまいました。どうしてもファッションや音楽は
文字だけはなく、視たり聴いたりしないとよくわからないものが
ありますが、動画サイトで探せばショーは見れますからね。
本書で気になったショーを動画サイトで見てみる、という楽しみ方も
できると思います。


 ファッション好きの男性はエディ・スリマンとロックの話を
期待して読むかもしれませんが、エディよりも
アレキサンダー・マックイーン、ランバン、バーバリー・プローサムの
方がよく出てきます。絶賛しています。特にランバンとマックイーンに
関しては、ショーの音楽に関わる人物と菊地氏との対談も本書に
収録されています。マックイーンはジョン・ゴスリング、ランバンはアリエル・ウィズマンです。


 他に、自ら選曲を行っているヴェロニク・ブランキーノとの
対談や多くのブランドを手がけるフレデリック・サンチェスとの
対談も収録されているのですが、その全ての対談で、
ラッパーのカニエ・ウェスト(≒ヒップホップ評)に
ついて聞いていたのが印象に残っています。
あとがきでもカニエ・ウェストに言及していましたし、
菊地氏はかなりカニエ・ウェストに注目している、
いや、何かを確信しているとさえ感じました。
2008S/Sで、D&Gがモード界で初めてラップの入った
ブラックミュージックを使いましたし、
パラダイムシフトが起きようとしているのでしょうか。






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