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ハーディ・エイミスのイギリスの紳士服 Hardy Amis 森 秀樹 大修館書店 1997-03 |
4月21日発行のWWD1472号で、早くも秋冬のトレンドの大特集が
組まれていたのですが、「アメトラの次はブリトラで
決まり!!」と、ブリトラ(ブリティッシュトラッド)の
台頭を報じていました。先日、発売のHEART9月号で
もアメトラとブリトラが取り上げられていたのですが、
どうやら、来期はアメトラからブリトラへの過渡期になりそうです。
ブリトラが流行るのはほぼ間違いないので、本格的に流行る前に、
是非、読んで欲しいのが本書『ハーディ・エイミスのイギリスの紳士服』です。
著者は題名の通りハーディー・エイミス。2003年に死去しましたが、
エリザベス女王付きのデザイナーであり、ナイトの爵位を
授かった稀有なデザイナーです(ファッションデザイナーでは、
ハーディー・エイミスとポール・スミスしかいない)。
サヴィル・ロー14番地に、長年、店を構える、イギリス有数の
テーラーだけあり、本書で語られる内容は説得力が違うので、
スーツが好きなら、ブリトラを知りたいのなら、服飾史に興味が
あるのなら、必読といえる、一冊です。
第1章 乗馬服、客間に登場
第2章 宮廷と改革
第3章 忠誠心が民主主義を招く
第4章 ピーコック革命
第5章 イギリス人のスーツ
第6章 小物類
第7章 レジャー服
第8章 夜会服
第9章 結婚衣装
第10章 髪
第11章 サヴィル・ロー
第12章 英国スタイル
第13章 伝統
第14章 現代
第5章までは、ビートルズやブランメルなどの著名人にも
触れながら紳士服の変遷史を紐解いているのですが、
やはり、評論家やバイヤーとは視点が違います。単なる
歴史の考察ではなく、テーラーならではの小話が実に
興味深いのです。「スーツの歴史はボタンの歴史である」
と語る本書を読めば、なぜスーツはウェストラインが
大切なのか、なぜ3つボタンの真ん中だけを留めるのか、
なぜパンツのウェストの位置が時代によって違うのか。
スーツのシルエットの変遷がとてもよくわかるのです。
白黒の写真もついているので、それを眺めるだけでも、
昔はパンツやジャケットのラペルが太かったんだ、60年代はシルエットが
急に細くなっているな、70年代に入るとVゾーンが深くなっているな、
と年代の違いがわかる男になれる?のです。これで
ヴィンテージも怖くありません。年代の見極めもバッチリです!たぶん(笑)
6章からはさらに面白くなっていきます。「事実を伝えようと
しているのであって、説教しようなどという気持ちはさらさらない」
と何回も何回も述べながら、「○○はダサい」と具体的に
例を挙げて、説教としか思えない服装指南を始めるのです(笑)
単なる服飾史ではなく、この服装指南があるからこそ、
本書は輝いています。イギリス人の価値観、スタンス、思想。
そういうのが、この服装指南によく現われているので、ブリトラ的な
着こなしの勉強にもなりますよ。
パンツ、シャツ、ネクタイ、靴、正装などについての
一家言が綴られているのですが、例えばセーター。
「ジャケットなしでセーターにネクタイというのは、
疑いなくダサいのだ。もしネクタイがなくて寂しいなら、
カーディガンを着るといい。ジャケットを羽織るなら
ネクタイをつけてもいい(実際必要だが)。ジャケットの
下に長袖のセーターを着ると、ぞっとするほど着心地が悪いものだ。
だから、ジャケットとネクタイで着心地をよくするには
プルオーバーがいい」。こう、ハーディー・エイミスは
述べていますが、ファッション誌を開くと、この疑いなく
ダサいとされる、着こなしのなんて多いこと(笑)
おそらく、感性的にダサいと述べているのではなく、
ブリトラ的には、ルール的にはダサい、という事実があるのでしょうね。
当然、今と昔の状況は異なるので、その理由はおかしい、と言うことが
できるかもしれませんが、伝統を守るのが、保守的なのがブリトラなので、
そういうものとして受け入れたほうが賢明でしょう。
ここ最近のトレンドとして、昨年くらいから「エコ」が
キーワードになっています。大量生産・大量消費ではなく、
服を大切に着よう、仕立て直しをしよう、古着を再利用しよう、
という動きもあるのですが、これってブリトラに通じるものが
あると思うんですよ。本書を一冊読み終えるころには
(特に12章、13章)、ブリトラとは何かがわかってくるのですが、
一言で述べれば、「いいものを長く着よう」これがブリトラです。
イタカジ、アメトラときて、次がフレカジではなく、ブリトラなのは、
こういう時代の空気も関係しているかもしれませんね。

コメント
コメント一覧 (7件)
こういう本が読みたかった!!
自分で探せって話なんですがw
即効で注文しました
クラシックを勝手に勉強している身としては少し複雑な気持ちですw
でも、この影響でスーツをきちんと着てくれる会社員が増えるとうれしいですw
ブリトラが懐かしのブリーフ&トランクスかと思いました。
↑
あれ?
俺、いつ書き込んだんだ?
読んだことあるけど、最初のあたりが退屈なんで、途中から読んだほうがいいですかね。
最近ビジネス書にはまっててdaleさんお勧め本読んでないぜ・・
色の本が最後だな
これは読みたいから注文した
僕もブリーフ&トランクスだと思いました(苦笑)。