![]() |
ショッキング・ピンクを生んだ女 私はいかにして伝説のデザイナーになったか (P-Vine BOOks) 長澤均(パピエ・コレ) ブルース・インターアクションズ 2008-06-20 |
女性のための12戒
- 自分自身を知らない女性が多いが、知ろうとするべきである。
- 高価なドレスを買っては取替え、よく悲惨な結果になる女性は、無駄遣いをしているし、ばかである。
- たいていの女性―および男性―は色がわからない。忠告を求めるべきである。
- 覚えておいて欲しい―女性の20%は劣等感を持っている。70%は幻想を抱いている。
- 90%は、自分は派手なのではないかと悩み、人にどう言われるか気になっている。だから、
グレーのスーツを買う。思い切って違うものを選んでみるべきである。
- 女性は的確な人物の批評や助言を聞いたり、求めたりするべきである。
- 服を選ぶときは、ひとりで選ぶか、男性と一緒に選ぶべきである。
- 女性と2人で買い物をしてはならない。故意にもしくは無意識に、相手に嫉妬することになりやすい。
- 買うのは少しだけにする。そして一番いいもの、もしくは一番安いものを買うべきである。
- ドレスを体に合わせるのではなく、ドレスに合うよう体を鍛えること。
- 自分のことをわかっていて尊重してくれるような店、主に一軒で買うべきであり、流行を追い回そうとしないこと。
- そして、支払いは自分ですること。
スキャップことエルザ・スキャパレリはシャネルと同時期に
活躍した、30年、40年代を代表するフランスのデザイナー
(生まれはイタリア)で、シャネルのライバルです。
シャネルはスキャパレリを「服を作るイタリア人芸術家」と
陰口を言い、スキャパレリはシャネルを「陰気なプチブル」
と叩いていたのですが、要はアルマーニとヴェルサーチみたいな関係です。
シャネルがシンプルなエレガンスを追求したリアルクローズに対し、
遊び心のあるエキセントリックなデザインで、前衛芸術を
ファッションに取り込もうとしたのがスキャパレリです。
サルバドール・ダリ、ジャン・コクトー、マン・レイなど、
多数の芸術家と交流があり、特にダリやシュルレアリスムと共に
語られることが多いスキャパレリですが、アートに造詣が深い
デザイナーはスキャパレリの影響を少なからず受けていて、
イヴ・サンローラン、ジャン・ポール・ゴルチエ、トム・フォード
の名前がよく挙げられています。第2次世界大戦後(パリが
ドイツに占領されていた)、カムバックしますが、クリスチャン・ディオール
のニュールックによって世代が変わっていまい、10年あまりでメゾンを
たたんでしまいました。今ではエルザ・スキャパレリの名前を
知っている人はほとんどいないでしょう。一方のシャネルも
第2次世界大戦後に復帰し、古い・ダサいと酷評されましたが、
しぶとく生き残り、本人が没した後も、カール・ラガーフェルドに
よって今でもカリスマ性が保たれているのは皆さんご存知の通りです。
「女性のための12戒」を読んでもわかるように、シャネルとは
考え方が逆ですが、ブランドの行く末まで対照的でした。
さて前置きが長くなりましたが、本書『
ショッキング・ピンクを生んだ女 私はいかにして伝説のデザイナーになったか (P-Vine BOOks)』
はそんなスキャパレリの自伝です。54年に書かれたものの復刊です。
この本の出版と同時にメゾンをたたんだのですが、スキャパレリの
誕生からメゾンをたたむまでが、小説風味に書かれています。
幼いころ、美しくなりたくて、顔のいたるところの穴に花の種を蒔いて
大変なことになった話や、14歳のときに書いたポエムが出版された
話とか、幼少期からクリエイティブな一面を覗かせていたようですが、
そういう人はえてして普通とは違うと言いますか、気性が
激しいんですね。シャネルもそうなんですけど。結婚の話や、
デザイナーになるまでの話もすごいですよ。昼ドラを髣髴とさせるノリです。
というか昼ドラです(笑)そのあたりのお話は本書を読んでみてください。
本書はファッション、メゾン、色の話よりも、イタリア、フランス、
イギリス、NYなどなど、多数の国を渡り歩いたスキャパレリの
生活環境の話の方が多い気がします。世界情勢や社交界の
雰囲気を伝える方に力が入っているような・・・。それでも、
第4章の「クチュリエへの扉」で語られる、「私にとって
洋服をデザインすることは職業ではなく芸術だった」
という、デザイナー観は興味深いものがありました。
モード、ファッション好きはそこだけでもいいので、
目を通しておくことをオススメします。

コメント
コメント一覧 (6件)
エルザ・スキャパレリ・・・全然知らなかった
です。またマニアックなお知恵を授かりました(笑)
クラシック音楽でいうと、モーツァルトとサリエリみたいな感じかな・・・。表現の観点は逆だけど。
スキャパレリ、丁度この間授業で教わったばかりです。
今でこそ知ってる人は少ないですが、
かなりファッション史的に重要な人物ですよね。
7と8が興味ぶかい。もっとも水着選びの意見を求められると自分の好みを押し付けそうですが(笑)しかしこの本のタイトルはなかなかインパクトがありますね。
正直言って、一番重視してほしいのは1だよね
僕がもっとも衝撃を受けた方の1人です。今日、ファッションに個性が溢れているのも彼女のお陰かもしれませんね。素敵です。
>武欄堂さんへ
ファッション史では有名なんですけどねぇ~^^;
>鮎chanさんへ
ラグジュアリーの価値としてアートに注目が集まっている今だからこそ、もっといろんな人に知って欲しい名前です。
>TABITOさんへ
元の題名はもっとすごくて、『ショッキング』なんですよ(笑)
>正直言って、
お互い様、と言われそうです^^;
>あさんへ
女性が好きそうな波乱万丈の人生なんですけど、なぜ憧れる人が少ないのでしょうね^^;