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マニアに向けたスーツ読本『本格スーツ大研究』

MEN'S EX特別編集 完全保存版 本格スーツ大研究 ―紳士のスタイル、極めたい人へ― (BIGMANスペシャル) (ビッグマンスペシャル) MEN’S EX特別編集 完全保存版 本格スーツ大研究 ―紳士のスタイル、極めたい人へ― (BIGMANスペシャル) (ビッグマンスペシャル)

世界文化社 2009-11-06
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 MEN’S EXの傑作『最高級靴読本』シリーズのスーツ版が本書『本格スーツ大研究』。MEN’S EXの本気を感じる熱の入ったムックです。



着る人をかっこよく、色っぽく、立派に見せる本格スーツ。それはいわゆる“ファッション”を通り越した、大人の男の”必須ツール”でもあります。スーツ離れが叫ばれている昨今にあえて丸ごと1冊のスーツの本を作った理由は、そこにあります。どんな人が作っているのか?何が優れているのか?どう着ればお洒落なのか?等をご紹介しながら
本格スーツの“類稀”な魅力を改めて検証していきます


 本書はとにかくマニアック。スーツのディテール100連発、主要なミルとマーチャント37連発、一流ブランドの代表作35連発、と、このあたりはまだ序の口ですが、この時点でほとんどの読者が脱落すると思います(笑)MEN’S EXを読んでいないと話についていけませんが、どれだけマニアックか、もう少しご紹介しましょう。




EXムック3.jpg



まずは「本当にいいスーツの見分け方」を読んでみると、「見分け方のポイントは工程の数だけある!」と書いてあるんですね。
スーツの工程数は200以上ありますので、「ワシのは見分け方は108まであるぞ!」を越えちゃった(笑)でも、我々一般人でも見分けられるように、「地の目を通している」「パンツもいせ込んでいる」「ラペル周りをこすってみる(接着芯か否か)」など、難易度別に9点ほど挙げてくれていますけどね。それでも、「地の目」「いせ込み」「接着芯」など、専門用語が普通の人にはなかなかわからないですよね。詳しくは本誌を読んでみてください。



EXムック2.jpg



続きまして。セレクトショップオリジナルのスーツを分解して、
その品質を検証しているコーナーもマニア向けです。



脇のパターンに、これを設計した人が日本の服飾理論の延長線上に
いないことがよく表れている。細部を大きく曲げているけど、
これってポケットの脇にダメージが出るでしょう。だから、
日本の製図理論では、ここは無理なくカーブで繋がっていないとダメなんだ。


おそらく、作り手側かマニアでないと、何を言っているのか
よくわからないコーナーだとは思います。何やら手間暇のかかった、すごいスーツなんだな、と、わかるくらいで。理解したい方は、お手持ちの服を一度解体してみましょう。話はそれからです。
結構いるんですよ?服をバラす人たち(笑)服の構造を知るには、
分解するのが一番手っ取り早いです。


EXムック1.jpg



極めつけはこれ。カラチェニ&ルビナッチの家系図です。「サルトリア イタリアーナの2大潮流がまるわかり!」とあり、さも2大巨頭を知っていて当たり前かのごとく、話が進んでいきますが、ルビナッチとカラチェニって誰やねん!という話ですよね(笑)しかし、この家系図を見れば、アットリーニ、キートン、イザイアなどが、どのように誕生したのか一目瞭然です。聞いたことがあるブランド、ありますよね?




 他に着こなしの小技のページを見ても、ダブルティンプル、BDの襟先ボタンハズシ、本切羽のボタン遊び、靴ひものベルルッティ
結びなどが当たり前のように紹介されていて、もはや、変態レベルです(笑)それでも、本書の大半のページが、英、伊、仏、日の有名テーラーへの取材を中心とした記事なので、読み物として楽しめると思いますよ。仕立て屋のこだわり、キャリア、仕事ぶりなんかがよくわかりますので。読み終えたころには、オーダーで一着誂えたくなるほどです。


 本書は「紳士のスタイル、極めたい人へ」と書いてあるように、
スーツの教科書にはなりません。スーツの基本書として、完全無欠なムックを作るというスタンスではなく、どこまでも、スーツ好きが喜ぶであろうコンテンツで作成されている応用編です。スーツの基本型徹底解説、生地の素材と柄、フィッティングで見るべき箇所、スーツのシルエット変遷とか、そういうのはありません。
そういうのが読みたい方は『THE SUIT』の方で。本書は、あくまで、スーツを極めたい方やマニアの世界を覗いてみたい方にオススメできる1冊です。ページ数こそ薄いですが、全ページカラーで内容も濃いですよ。『最高級靴読本』シリーズみたいに、マニアに高い評価を得てプレ値がつく可能性もありますので、気になる方は買い逃さないで下さいね。






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