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スーツに関する疑問が解決するかも?『大人の男性の服装術』

大人の男の服装術 大人の男の服装術
滝沢 滋

PHP研究所 2011-05-28
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 男性のお洒落指南で必ずと言ってもいいほどよく出てくる
「スーツの袖口からシャツを1.5cm出す」というルール。
一般的には「スーツを汚さないためにシャツを出す」との説明があるのですが、
1.5cmに何か意味があるのか。別に2cmでも2.5cmでもいいじゃないかとずっと
疑問だったのですが、本書『大人の男性の服装術』を読み納得しました。


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「ジョバンニ・バッティスタ・モローニのThe Tailor」




 簡単に説明しますと、シャツを袖口から出すのはルネサンスの
時代から確立されているバランスの取り方とのことで、
正確には「袖口と襟元からシャツを同じ分量出すこと」がポイントのようです。
「シャツを袖口から~」だけだと片手落ちであり、
1.5cmを遵守することよりも袖口と襟元を同じ分量出すことが大切なんですね。


 本書の著者は滝沢滋氏。銀座に直営店を持ち「イセタンメンズ」にも出店している
人気テーラーです。スタイリストやイメージコンサルタントの書くお洒落指南本とは違い、
紳士服のディテールや着こなしについて歴史的な背景、体の構造、
ディテールの機能から具体的数字も出して説明しますので説得力が違います。
スーツ好きには必読の書で、スーツの着こなしに自信がない人にも是非
読んで欲しい良書です。





<目次>


第1章 男の服の本質とディテール


第2章 騎士階級の気高い服が男の服の源流


第3章 スーツと男の体の深い関係


第4章 日本人に知ってほしいフォーマルな装い


第5章 スーツを買う前に知っておくべきこと


第6章 上着の選び方


第7章 パンツの選び方


第8章 シャツの選び方


第9章 その他のアイテムの選び方


第10章 メンテナンス


1~4章が基礎編で5~10章が実践編です。基礎編はスーツの成り立ちを歴史的
背景から説明するという内容。例えばパンツの折り返し(かぶら幅)について。




騎乗姿勢で、軽くひざを曲げたとき、上にずり上る分量を予め長く取り、
下馬したときに、その分を折り返したものが始まりと言われております。
ヨーロッパの流れをくむビジネス・スーツのルーツをたどると、
それはフォーマルなスーツよりも「応用範囲の広い服」です。
この応用範囲には、「馬に乗るという行為」もふくまれていたのです。
だから、ビジネス用のパンツには折り返しがあるのが正統なのです。


パンツの折り返しは「雨の日に泥の跳ね返りを恐れて裾を折り返したのが始まり」と
いう説もありますが、乗馬時に足首を痛めないために生地を長めにとり、
馬から降りた時に折り返してはいたという説も説得力がありますね。
シングルブレステッドのスーツは乗馬服由来なのでビジネス用は
ダブルで仕上げるというのにも納得です。巷に根付いている
「ダブルのジャケットはパンツの裾もダブル」「シングル=きちんと感、
ダブル=カジュアル(お洒落用)」という考え方が正確ではないことが
わかります。


 実践編も必読でして肩、胸、背中、首、袖、アームホール、
ウエスト、ヒップ、着丈など細かくイラスト付きで解説してあります。
スーツのフィッティングでどこを見ればよいのかわからない方には
特に参考になるはずです。なぜ日本人にインポートが
似合わないかの説明もありましたよ。



胸板が薄く、背中にボリュームがある人は腕が体の前の方についています。しかたがってアームホールの位置も体の前寄りになっていなければなりません。日本人にはこのタイプが多く見られます。一方、背中が薄く、胸板が厚い人は、腕の位置が体の後ろ寄りについています。ヨーロッパ人に多い体型です。この場合、アームホールは体の後ろ寄りにあいているのが理想です。ヨーロッパのインポート物を日本人がそのまま着ようとしても、美しいフォルムが出ないのは、腕の位置が異なっているからです。


「ジャケットは肩で着るもの」なので肩が合わないというのは致命的。インポートが似合わないわけです。その点、オーダーで仕立てると「前肩補正」というのがありますのできれいなフォルムが出るわけですね。


 他にも、品質の見極め方もよくある「お台場」「ヒゲ」「本切羽」
のような定番どころ以外のチェックポイントが多数紹介されており、
ネクタイ、靴、ベルト等の小物のバランスの取り方の指南もあります。
少し騎士道アピールが過剰な気もしますがオススメのお洒落指南本です。






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