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ゴールデンウィークに読みたいファッション本10冊

 先日、
ファッション批評誌『fashionista』
を紹介しましたが、

丸善&ジュンク堂書店
でも購入できるようになったようです。
『fashionista』に限らず、昨年は「ファッションを考えよう」というのがトレンドだったようで、
その手の本がたくさん出版されております。今回はその中から10冊に絞り簡単にご紹介。
日頃は忙しくなかなかファッションのことを考える暇がないという方。
GWの後半はファッション本を読みふけってみては?



絵とたどるモードの歴史

絵とたどるモードの歴史

ゲルトルート レーネルト Gertrud Lehnert

中央公論美術出版 2011-12
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 「モードとは本質的に、審美眼に長けた理性のある哲学者が決して気に入ることのない、
誇張や極端といったものから成り立っているのです」。モードは塗り替えの歴史です。
極端なトレンドが現れては次の極端なトレンドがそれを古臭いモノへと変えていく。
その繰り返しです。本書は膨大なファッション史を網羅するのではなく、
モードの発展を中心に述べられており、モード・社会・芸術の間にある重要な関係を軸に
先史時代から00年代前半までのモード史がまとめられております。図版が約250点もついているため読みやすく、
ありがちな文字ばかりのファッション歴史本とは違い途中で心が折れることはありません(心が折れるのは本の値段 笑)。
読み物としても面白いのでモードを語るなら是非おさえておきたい一冊です。

ストリートファッション論 ストリートファッション論

渡辺明日香

産業能率大学出版部 2011-04-30
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 2005年の『ストリートファッションの時代』の改訂版です。ストリートファッションの教科書的な本で、
50年代、60年代、70年代、80年代、90年代、00年代のファッションを年代別に言及。
「60年代後半に多数のマンションメーカーが生まれた」「80年代後半の渋カジ以降ワンブランドで統一する着こなしが
ダサいものになった」「90年代半ばにストリート系雑誌が次々と創刊された」
「90年代後半からキャットストリートが注目されるようになった」といったような、
ストリートファッションを語るなら必読の情報がまとめられております。
ビジネス、スタイル、メディア、エリア(街)と切り口を変えながら
4回も50年代から00年代のストリートファッションの流れを追いますので、
本書を通して読むと情報が頭の中でガチッと整理されますよ。
改訂版はカラーではなくなったので1,000円安くなりました。

拡張するファッション アート、ガーリー、D.I.Y.、ZINE…… (P-Vine Books)
拡張するファッション アート、ガーリー、D.I.Y.、ZINE…… (P-Vine Books)

林 央子

ブルース・インターアクションズ 2011-05-28
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 「アート、ガーリー、D.I.Y、ZINE・・・モードでもカワイイでもない、もう1つのファッション史」と
帯にはありますが、ファッション史ではなく、著者である林央子氏の自分史という感じの本です。
ファッションは他分野の人たちを触発しさまざまな現象を起こすので「ファッション」という
独立した狭い世界に閉じ込めたくはないと著者は考えているようで(だから拡張するファッション)、
自分の「好き」をフィルターに95年からファッションシーンを振り返り、
ファッションの楽しさとは何か?クリエーションとは何か?というのを読者に問いかけます。
ソフィア・コップラ、キム・ゴートン、ヒロミックス、マルタン・マルジェラ、
スーザン・チャンチオロ、ホンマタカシなどさまざまなクリエーターの話が登場。

ファッションは語りはじめた 現代日本のファッション批評 ファッションは語りはじめた 現代日本のファッション批評

蘆田裕史 千葉 雅也 林 央子 井伊 あかり 黒瀬 陽平 田村 有紀 藤原 徹平 金森 香 中村 茜 安城 寿子

フィルムアート社 2011-08-24
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 ファッション語り啓蒙書。内容は、蘆田祐史氏と千葉雅也氏の対談、
作家論(エイプ、アンダーカバー、アンリアレイジ、まとふ)、
ドリフのファッション研究室特別番外編(クリエーターたちの対談)、
サブカルとファッション論(エヴァンゲリオン、キャラクター、カワイイ)など。
哲学や文化社会学、服飾史など、多様なバックグラウンドを持つ人たちが
寄稿している雑誌のような本です。この本を経て『fashionista』が創刊されましたので、
本書は『fashionista』とセットで読んでおきたい一冊です。90年代のファッションと
アニメでエヴァンゲリオンが語られるのはよくあることですが、
lainにまで言及している論考は本書で初めて読みました。

感じる服 考える服  東京ファッションの現在形 感じる服 考える服  東京ファッションの現在形

高木 陽子

以文社 2011-10-27
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 東京オペラシティと神戸ファッション美術館で開催された展覧会「感じる服 考える服 東京ファッションの現在形」の
公式ガイドブックです。デザイナーのインタビューが中心で、ブランドを立ち上げた経緯、
ブランドのコンセプト、現在と今後の活動についてなどが詳しく語られております。
展覧会関係なく一冊の本として十分楽しめる内容です。登場するデザイナーはアンリアレイジ、
h.NAOTO、ケイスケカンダ、まとふ、ミナペルホネン、ミントデザインズ、サスクワァッチファブリックス、ソマルタ、
シアタープロダクツ、リトゥンアウターワーズの10組。2,000年代に設立された
若いブランドばかりです。実験的でコンセプチュアルなコレクションがよく話題になるアンリアレイジ、
パンク・ゴス・ロリータの代名詞的ブランドh.NAOTO、日本の美意識を通底にさせた服作りをしているまとふ、
裏原に影響されたサスクワァッチファブリックス等々。世界観はバラバラですが、
どこも東京を拠点にしているので今のTOKYO的ファッションを知るという意味でも必読でしょう。

ファッション・デザイナーの創作スケッチブック (P‐Vine BOOKs)
ファッション・デザイナーの創作スケッチブック (P‐Vine BOOKs)
ハイウェル・デイヴィス

ブルース・インターアクションズ 2011-07-22
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 ファッションデザイナーの創作プロセスにスポットを当てたヴィジュアルブックです。
作業工程の中でリサーチはどの程度重要なのか、デザインのインスピレーション源は、
デザインプロセスについて、仕事で必要なツールは、ベストな仕事環境は、
などについてデザイナーにインタビューしています。50ブランドのデザイナーが登場するので
「感じる服 考える服 東京ファッションの現在形」と比べると内容は薄いです。
見所は創作の過程の資料、特にスケッチブックに描かれたデザインスケッチでしょうか。
ウォルターはスケッチとランウェイのルックにほとんど差がないことに驚きました。
他にもヨウジのスケッチやハウエルの鉛筆画も素敵。本書は読むのではなく見る本ですね。

闘う衣服 (叢書 記号学的実践) 闘う衣服 (叢書 記号学的実践)

小野原 教子

水声社 2011-04
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 ファッション研究者である小野原教子氏の15年間の論文を一冊にまとめた本です。
本書は大きく分けると、「ロラン・バルトの手法から女性誌を読み解く」
「ヴィヴィアン・ウエストウッドの作家論」「闘う衣服」「ゴスロリ論」の4部で構成されており、
3部の「闘う衣服」が文字通りプロレスラーのコスチューム論で非常に読み応えがありました。
「力道山スタイルの誕生秘話」など「へー」の連続でプロレスに少し興味が出てきたくらいです。
なんか無駄に論が熱いです(笑)1部のロラン・バルトの『モードの体系』というのはいろんな
ファッション本に出てくるので、ファッションを語るならその活用例として
こちらも読んでおくとよいかと思います。

ユニクロ帝国の光と影 ユニクロ帝国の光と影
横田 増生

文藝春秋 2011-03-23
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 ユニクロが文芸春秋社を相手に発行差し止めと2億2千万円の損害賠償を求める訴訟を起こした本です。ユニクロ本の多くはユニクロ礼賛やラブレターの類が多いので、ここまでネガティブな視点でユニクロに迫っている本は貴重。日本のファッションを語る際にもはや避けては通れないのがユニクロであり、
そのユニクロの本質は柳井正氏そのもの。本書は「ユニクロ=柳井正」という切り口で
幼少期からとことん掘り下げております。ユニクロの光や影うんぬんではなく
柳井氏の人物像を知るという意味で読んでおくと良い本かと思います。


テキスタイルとは何か  ──隠されたメッセージへの旅 テキスタイルとは何か  ──隠されたメッセージへの旅

宮本享子

フィルムアート社 2011-09-26
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 日本のファッションの強みであるテキスタイルの重要性やテキスタイルという仕事の説明が2章までのお話。3章からは内容が一転し世界ふしぎ発見的な内容に(笑)テキスタイルのルーツを探しに世界各地(中央アジアが中心)の布やモチーフの話が著者の体験談と共に語られます。写真が少なくしかもカラーではないのが残念な点です。世界ふしぎ発見をやるなら『タータンチェックの文化史』みたいにカラーが良かったですね。それかテキスタイルの仕事の話を最後まで続けるか。

繕い裁つ人(2) (KCデラックス) 繕い裁つ人(2) (KCデラックス)

池辺 葵

講談社 2011-10-13
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 最後は漫画の紹介でも。昨年はドラマにもなった『リアルクローズ』の最終巻も出ております。
イケメン上司の田淵についていくか、日本に残って出世するか、さぁどっち?という
お約束展開から続く大円団にどこから突っ込めば良いのかわからなくなるのですが、
『繕い裁つ人』の方はそういうのとは無縁の落ち着いた漫画です。
『繕い裁つ人』は人と服との関わり方を考えるという作風で2巻も味わい深い話ばかり。
青春と制服の話、親孝行する息子の話、女性への贈り物の話、仕立て屋の店閉いの話、
自分の作った服を着ている女の子が道にあふれるようになるのを夢見る青年の話の計5話。
特に、服のことしか考えない青年と着る人のことばかり考える市江を
対比させた話が印象深いです。





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