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モード離れしている今だからこそ読んでおきたい『ハイファッション デザイナーインタビュー』


ハイファッション デザイナーインタビュー。
ハイファッション デザイナーインタビュー。

文化出版局 編 つがおか一孝

文化出版局 2012-07-21
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 WWD1704号は「平成生まれのファッション白書2012」。若者たちは海外コレクションの
動向やデザイナーへの関心が薄れ、人気読者モデルやファストファッションに興味がある
との調査結果が出ておりました。


 それが端的に現れているのが「ファッション業界ミニテスト」。全国のファッション
専門学生1015人に業界に関するミニテストを実地したようで、簡単な内容のわりに
正解率の低さが目立つのですが、その正解率ワースト3の問題がこちらです。



1位 東京ビッグサイトで毎年開催される繊維総合見本市は?(正解率5%)

2位 「サンローランパリ」のクリエイティブディレクターは?(正解率12%)

3位 レディー・ガガのスタイリストは?(正解率13%)


1位のジャパンクリエーションは不正解でもわかります。3位もニコラ・フォルミケッティという覚えにくい名前なのでまだわかります。
私もマルニのデザイナー、コンスエロ・カスティリオーニを正確に覚えるのに苦労しましたので(笑)
しかし2位の正解率の低さは正直驚きました。大手メゾンのデザイナーはころころ変わるとは言え、
ファッション専門学生ですらここまでモードに興味がないとは。
あのファッション史に名前を刻んだであろうエディ・スリマンの名前が出てこないなんて・・・。



 不景気なのでモードに興味がわかない。ファストファッションしか買えないというのはわかります。
なら本を読もうと私は提案したいのです。ファッションは着てなんぼですけど、
その魅力は本を通して知ることもできますし、デザイナーの言葉や生き様はファッションに
対する知見を広めてくれます。そして審美眼を磨きつつ収入が増えたときに
ハイブランドを買えばいいのではないでしょうか。




 前置きが長くなりましたが、本書『ハイファッション デザイナーインタビュー』はそんな
デザイナーの素敵な言葉や考えが詰まった1冊です。休刊した『ハイファッション』のデザイナーインタビュー、
国内外55組のデザイナーが収録されており、今活躍しているデザイナーのクリエーションに
直結するような話を中心にディレクションされています。


 例えば、ラフ・シモンズ。初期はナンバーナインと比べられたりしていたようにロックなテイストを感じさせていたのに、
なぜ今は大人っぽいスーツを中心としたコレクションなのか。




ラフ・シモンズの最初の15年は、ある意味″若者の分析″でしたが、
これからの10年から15年は″男の分析″になるでしょう。
つまりファッショナブルな男とはどんな存在なのか、の追求です。


 例えば、ドリス・ヴァン・ノッテン。コレクションでブランドの代名詞のように
柄物や刺繍を用いるのはなぜなのか。



たとえば、ドリスヴァンノッテンの注文を頼りにする職人たちが、インドに大勢いる。
彼らが安定した生活を維持するためにも、流行に関係なく、ドリスヴァンノッテン
ではいつの季節も刺繍を使うのだ。プリントもしかり。製造業者のためにも、
毎シーズン一定量のプリントは欠かさない。


 例えばトム・ブラウン。あのお魚天国やジャミラなど毎シーズン奇抜なパフォーマンスや
ルックを披露するのはなぜなのか。




自分の服はクラシックな視点で作られている。それをどこまで新しく、
意外性を持たせて人々に関心を持ってもらえるようにするかと考えたとき、
普通の商業的見せ方では、服作りの意図が伝わらないと思った


 他にも服飾観が変わる深イイ話がてんこ盛りなのですが、
デザイナーのインタビューはCDについてくるライナーノーツに似ているのかもしれません。


 「音楽は聞けばわかる」同様に「服も着ればわかる」とはよく言われるものの、
そんなにリテラシーの高い人ばかりではないと思いますので、
背景的なことを知ればそこからより服への共感や愛着が生まれるのではないでしょうか。
デザイナーの語る言葉、そのキーワードからリンクし興味の対象が広がっていくのではないでしょうか。
それらはきっとファッションを楽しむ糧になると思うのです。






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