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フェアアイル柄とノルディック柄の違いは?『テキスタイル用語辞典』

テキスタイル用語辞典 テキスタイル用語辞典
成田 典子

テキスタイル・ツリー 2012-02-25
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 この秋冬はユニクロからフェアアイル柄のニットが数多く出ているように、
ショップを見て回っているとフェアアイル柄をよく目にします。
ファッション誌を開けば、「1920年代にイギリス皇太子がゴルフで着用して有名になった」という
薀蓄と共に紹介されていたりもするのですが、そんなことよりも、
フェアアイル柄とノルディック柄の何が違うのかと疑問に思ったことはありませんか?
どちらも雪の結晶、OX、幾何学模様の北欧系モチーフで差がイマイチわかりませんよね?
そんな時に役に立つのが本書『テキスタイル用語辞典』です。
さっそく両者を調べてみました。





【フェアアイル模様】


スコットランド北のシェトランド諸島のフェアアイル(フェア諸島)を
発祥とする伝統的なフェアアイル・セーターの編込み模様。
異文化がミックスしたような、多色使い独特のよこ段の幾何学模様が特徴。
400年以上も編み続けられ、ケルト文化と北欧文化の影響を受けた柄、
あるいはイスラム文化色の濃いスペインの編みの技術の影響を受けているなど
いくつか説がある。北欧の伝統ニットに多いエイトスター(八つ星)と
呼ばれる雪の結晶模様、クロス模様、OXの連続模様が見られたり、
スペインの十字架、ムーア式の矢、グラナダの星、バスクの百合など、
スペイン模様も多くみられる。


【ノルディック模様】


ノルウェーに古くから伝承されているセーターで、
編み込み模様を入れ、二重に編んで厚手に仕上げ、防寒効果を高めている。雪の結晶を主流に、
トナカイ、もみの木、幾何学模様など北欧や
寒冷地にまつわる模様が多く、特に「ルース・コスタ」と呼ばれる
小さな水玉を散らしたような点描模様が特徴となっている。


 フェアアイル柄はアルマダ海戦の時にスペイン無敵艦隊がフェア島に難破して
伝えられたという俗説が有名ですが(信憑性はあまり高くはない)、
その影響か、スペインの模様がモチーフとして使われていることが多く、
それがノルディック柄とのわかりやすい違いではないでしょうか。
多色使いというのもラテンのノリなのかもしれませんね。


 他にもデニム、ダンガリー、シャンブレーの違い。別珍、ベロア、ベルベットの違い。
ピケ、カツラギ、チノの違い。どれも販売員との会話やファッション誌で
頻出の単語ですが意外と忘れるんですよね。そして思い出せないと気になって仕方がないと(笑)
そんな時に役に立つのが(以下略)。もちろん、素材について詳しく知りたい時も勉強になります。



 例えば。今期だとツイードが流行っているので調べてみますと、
ツイードはスコットランドの手紡ぎ・手織りの「ホームスパン」が始まりで、
ごわごわしている理由は「ケンプ(羊毛の死毛で短く太くかたい)」が使われているからだとわかります。
コラムでは「twill(綾織)」を「tweed」と誤読した説とツイードリバーから名付けられた説など
語源についても言及しており、さらに、羊の種類、産地名、織り柄、意匠糸や素材、
ブランド名、表面感と、ツイードの種類や呼び名の分類まで紹介しておりました。
大変マニアックです。


 最後に本書を簡単に紹介しておくと、構成は「織物」「レース」「ニット」
「染色・柄」「仕上げ加工」「基礎用語」の6章立てで、解説文は簡潔かつ的確、
素材の写真はカラーで約900点掲載されております。
解説の尺が足りない素材についてはコラムという形で詳しく言及しており、
全部で59本のコラムが収録されております。


 私はアパレルの素材に関する本は何冊か読みましたけど本書が一番万人にオススメしたい一冊です。
まずバンチブックのようにコンパクトで場所を取らない、コラムは読み物として面白く、
解説が詳しく辞典としても使いやすい、もちろん和名や別称もばっちり載っております。
お値段が3,780円とやや高いですがファッション好きならマストバイでしょう。
今年発売されたファッション書籍で1、2位を争うクオリティーだと思います。






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