2007年、NYのエディ・スリマンこと、トム・ブラウンが彗星のごとく現われ、ラルフローレンチルドレンと呼ばれるブランド(バンドオブアウトサイダーズ、ティムハミルトン、マイケルバスティアン、バーカーブラック等)を率いて、ファッション界でアメトラ(アイビー・プレッピー)旋風を巻き起こしました。しかし、ロックでエッジィでアンドロジナスなディオールオム(エディ・スリマン)の影響を受けてきた日本の若者に、はたして、地味な印象のアメトラは受け入れられるのか。その点が疑問だったので、アンケートを取ってみたのですが、その結果がこちらです。
■アメトラは若者の間で流行ると思いますか?(2007年)
・流行ると思う 117票 (20%)
・そこそこ流行ると思うけど一過性 230票 (39%)
・あまり流行らないと思う 189票 (32%)
・流行るのはおじさま達の間だけ 39票 (7%)
・その他 11票 (2%)
あれから2年経ちました。「「men’s FUDGE6月号」以前のアメトラブームの失敗を認める(ブランドファッション通信)」
「
No Ametora | Why the Neo-Trad Trend Failed to Catch on in Japan(The Business of Fashion)」「アメトラ(アメリカン・トラッド)は結局どうだったのか?(マジメな男のマジメ服)」と、ファッションブログでアメトラについて取り上げられることも増えてきましたが、皆さんは、アメトラは若者に受け入れられたと思いますか?それとも、受け入れられなかったと思いますか?
どちらかといえば、アメトラは定着しなかった、盛りあがらなかった、苦戦していた、という意見の方が多く、確かに、今はアメトラではなく、ラギッドなアメカジ寄りのトレンドですが、それでも、アメトラは、十分、若者の間に定着したのではないか、と私は考えています。少なくとも、アメトラは受け入れられなかった、失敗した、という意見は言い過ぎだと思います。
アメトラの代名詞であるボタンダウンシャツは大ブレイクして定着していますし、パンツもスキニージーンズ一辺倒から、チノパン、スラックスと落ち着いたパンツが取り入れられるようになり(それまではおじさん臭いと避けられていた)、さらに今では、アメトラのくるぶし見せスタイルからクロップドパンツやショートパンツまで選択肢が広がっています。上着もスクールジャケットが流行ったり、Tシャツもカレッジモチーフがここ数年の定番になったり、足元もトンガリ靴から徐々にラウンドトゥへ移行したり。極めつけは、黒ぶちのウエリントン/ボストン型メガネ(通称ダサメガネ)の大ブーム。これらを今の若者は、アメトラと意識して着用しているわけではありませんが、決して、これらを、定着していない、受け入れられていない、流行っていない、とは言えないんじゃないかなぁと思うのです。10代が読むであろう、今月号のchokichoki、smart、Samurai ELO、street Jackのトレンドアイテムを見ても、まだまだ、アメトラ色が強いですし。
ここで、ごくごく簡単に、アメトラについて振り返ってみます。
| トレンド | 年代 | 影響力が最も強い雑誌 | 着こなし | アイビー | 60年代 | MEN’S CLUB | ドレスアップ | プレッピー | 80年代 | POPEYE | ドレスダウン | ネオプレッピー | 00年代 | MEN’S NON-NO | ミックス |
だいたい20年周期できていますね。流行は繰り返しますが、全く同じというわけではありません。同じブランドが取り入れられ、ディテールや着こなしも同じ。それはレプリカやコスプレの類であって、ファッションからはちょっと離れます。ファッションである以上、微妙に変化してトレンドはやってくるのですが、その変化が着こなしに現われているのが興味深い点です。
60年代のアイビー。これは足し算のファッションです。アイビー的なコテコテなアイテムを足していき、マニュアルを参考にきっちり着こなす。教条主義的なファッションです(ファッションというより固定的なスタイル)。80年代のプレッピー。こちらは引き算のファッションです。アイビーを意識しながらも、そこからカジュアル色が強いアイテムも足していき(アイビー色を引いていき)、自由に着崩す。アイビーの堅苦しいスタイルからの脱却です(スタイルから流動的なファッションへ)。そして00年代のネオプレッピー。これは掛け算ではないかと思うのです。
雑誌を見てもわかりますが、MEN’S CLUBには正統派(今は違う)、POPEYEにはポップなアメカジという雑誌カラー(今はエレカジ)がありますが、MEN’S NON-NO(ネオプレッピーという言葉を使い始めたのは、確かMEN’S NON-NOが一番早かったと思う)にはこれといったモノがないですよね。強いて挙げるなら、ドメブラ、雑多性、ミックス感覚でしょうか。その雑誌がネオプレッピーを広めるわけですから、当然、着こなしや流行り方もそれに順ずる形で現われてくるはずです。
60年代のアイビー、80年代のプレッピーブームと比べると、今は多様なファッションスタイルがあって、選択肢がたくさんあります。1つのスタイルがシーンを圧巻することは難しいでしょう。だから、それらと掛け合わされ、結びつく形で広がっていったのではないでしょうか。
いろいろとミックスされているので、アメトラ的な何かに見えないだけであって、よく見ると、アメトラはしっかり根を張っているように、私には思えます。単に、紺ブレ、ボタンダウンシャツ、チノパン、ローファー、というような、テンプレートなアイビー・プレッピースタイルをしている人が少ないから、流行っていないように見えるだけではないでしょうか。実際は、足し算、引き算、掛け算と着こなしのレベルが上がっているだけでは。皆さんは、どう思われますか?
アメトラが20年周期くらいで流行っているのを見てもわかるように、どうしても子供は親のファッションの影響を受けます。知らない間にそういうセンスを受け継ぐのです。無意識の内にそのテイストを選んで取り入れてしまうのです。DNAのごとく。だから、きっと、20年経てば、また流行ると思います。次は、着こなしのレベルがさらに上がって、
割り算的発想の登場ですね。焼酎の水割りみたいな感じで、「アメトラの俺割り」的な独自の解釈でアメトラ百花繚乱です。その時は、アメトラの原型がどれだけ残っているのか、それはアメトラと言えるのか、アメトラの品格とは、という話になってきそうですが(笑)
コメント
コメント一覧 (10件)
旅をして成長する…
アメトラのアイテムだって元をたどれば…
カテゴライズにそんなに意味があるのかな?
なんて思いました☆
ファストファッションの流行にも見られるように、「安いものでも上手く取り入れる(自分に落とし込む)のがオシャレ」という風潮は割り算と言えるのではないでしょうか?
業界の進退はまあ置いといて…見栄をはらずに各々がオシャレを楽しめるのは、やはりいいことですね
僕の父が50代でちょうどMEN’S CLUBでのアイビーブーム時だと思うのですが
僕自身、THOM BROWNEからアイビーというファッションを知りアイビーが好きになりました
やはり血は争えないと感じます
エディーでモードも好きになりましたがアイビーを知った時の衝撃とハマりようは今の人生の中では一番です
アメリカ最高です
ディテールだけの取り込みが進んでいくと
元の意味も失われて
トレンチコートのDリングみたいに
形骸化していくのでは。
「俺割り」って最早アメトラとは違う
新しいファッションの様に思いますね。
プレッピーであれ、アイビーであれ、アメトラは日本に多大な影響を与えたでしょう。
今でこそシャツを着ている男性をチラホラ見ますが、一昔前なんか、いやぁホントにいませんでしたからね。ウェリントン眼鏡なんか、考えられませんでしたよ全く!
シャツスタイルなんてずーっとあった気がしますけど…ウェリントンはジョニー・デップの影響もあったのかな
ぶらんどう涙目ww
>燕さんへ
確かに、カテゴライズすることになんて、意味がないかもしれませんね。
>ひろゆきさんへ
割り算は「俺解釈」だと僕は考えています。
そこまで、個性的な人はまだそんなに多くはないかなぁと。今はファストファッション×何か の掛け算かなと。
>少年Kさんへ
気づいたら、何かしらアメトラの影響って受けてるんですよね~^^
>スネークさんへ
形骸化はありそうですね。
記号として消費されていまうのも、それはそれで
悲しいですよね。
>shi-ki. さんへ
ウェリントンがよく流行ったなぁ~と僕も思います。
>shortさんへ
エディくらいから、シャツ&タックインスタイルは見るようになりましたよね。
アメトラ(アメリカン・トラッド)の現状は、どうなのか?
おなじみElasticのdaleさんが、アメトラ(アメリカン・トラッド)の現状について力のこもった記事をお書きになっていました。 Elastic: アメトラは若者に受け入れられなかったのか? 「結局アメトラは流行らなかったんじゃないか」みたいな記事がいくつか話題にな..
基本的服装の一種、トラッド自体知らない若者は多いですからね。
基本的で実用的素朴な服装(アメトラ及び
アーミー、ワークウエア、ヘビーデューティなど、カジュアルにもドレッシイにも多く存在)ですから、そこには流行という概念はない服装です。これほどの特にサラリーマンにとって便利なファッションはほかにありません。その一つトラッドの魅力を知れば、いつの時代の若者(男)でも受け入れられること請け合いだど感じています。
毎年移り変わる※デザイナーズブランドのように、流行に左右される服装は、お金持ちやファッション業界人や女性のように釜ネズミのように過敏に成らざるを得ない性ならではの※ファッションといえますからね。前者後者どちらを選択するかは人次第なのです。