「
9万円以下でつくる脱オタファッション スーツスタイル編」という記事が話題になっているので便乗。
「大事なことは、どんなスーツを着るかということよりも、どう着ているか?」。
私もそう思いますが、「何を」着るかが話の中心で「どう」着るかの説明がないのが残念だなと。
スーツはフィッティングが要なので着用画像をあげてほしかったところなのですが、
ネット上のオシャレ指南はまず文章だけですよね。
晒したら叩かれますので(笑)
そこで今回は私が人柱になりたいと思います。スタイルの良いモデルに
フォトショという鬼に金棒のファッション誌と比べられたら厳しいのですが、
そこは温かい目で見守ってやってください。自撮りって難しいんですよね
(私は背景抜いてコンストラストと露出の調整しかやっていない)。
テーマは「理詰めで作るジャケパンスタイル」。TPOはデートでこ洒落たレストランに行くOFF用、
年齢はアラサー、クラシック・ドレス寄り、季節は春・秋という設定で、
自称服オタの私が薀蓄だけでコーディネートを組み立てるという内容です。
スーツでもいいのですが最近読んだ『Mr.JACKET』の着こなしがイマイチだったので
ジャケパンでいきます。センスは一切必要なし!知識だけでこの程度はできる!
という主張も兼ねております。自称服オタの人はこんなことを考えているんだと
何かしらの参考になれば幸いです。
■アメトラ風にまとめたジャケパンスタイル

ジャケット:ビスポーク(生地Savile Cliffordの3plyキッドモヘア)
BDシャツ:Mark McNairy New Amsterdam
クロップドパンツ:Yves Saint Laurent rive gauche(アウトレットで購入しくるぶし丈にカット)
ベルト:Whitehouse Cox(メッシュベルト)
靴:SANDERS(Military Collection)
タイ:Dunhill by Kim Jones
チーフ:Dunhill by Kim Jones
靴下:FALKE
メリハリのあるボディ、ビスポーク、立体感の出やすいモヘア。
これらが組み合わさったジャケパンスタイルというだけで周りとは一線を画す
見栄えが出来上がるという出オチ。この角度だと袖付け、胸元の立体感、
ウエストのくびれがよく見えるのでこのポーズになりました
(左足でライダーキックをするかのように若干体が奥に傾いてしまいましたが)。
一応、名前を呼ばれて「ん?」と左後ろを振り返るという設定です。
女性誌の男性役や男性誌Gainerにありがちな構図です(笑)
今回はアメトラをテーマにコーディネートを組み立てています。
アイテムは段返りの3つボタン、オックスフォードのBDシャツ、
クロップドパンツ、メッシュベルト、レジメンのニットタイをチョイス。
カジュアルなのでパンツの色はスポーティーなライトグレー、
靴は外羽根ハト目のややごつめを合わせ、クレイジーパターンのシャツ、
クロップドパンツ、柄物のチーフで遊び心を加えてみました。
本来アメトラはレジメンの向きが逆でありウエストにくびれもないのですが
教条主義になる必要もないかなと。アメトラと英国のハイブリッドスタイルです(笑)
ブランドの選択について。ジャケットは今回のコーディネートの要なのでビスポーク。
シャツのMark McNairy New AmsterdamはJ.Pressを中心にサウスウィック、ウールリッチ・ウォーレンミルズ、
ウォークオーバーなども手掛けているアメトラ界の中心的デザイナーのシグネチャーブランド。
チーフ&タイはDunhill by Kim Jonesでキムジョーンズはルイヴィトンのデザイナーに抜擢され
モード界で時の人になっております。要はマークマクナイリーもキムジョーンズもファッション好きから
注目を集めている旬のデザイナーです。ファッション好き同士の話のネタになれば良いなと思い
コーディネートに組み込んでいます。パンツはわざわざトレンドのクロップドパンツを
新調せずともちょうど良いバランスのパンツがあったのでリフォーム。
靴はアメトラ旋風を巻き起こしているトムブラウンがどっしりとして男っぽいデザインの
イギリス靴を履きバランスを取っているので、外羽根ハト目のややごつめのSANDERS(Military Collection)をセレクト。
ベルトは靴と同じ色で革の質感的にも近いWHC。どちらもイギリスのブランドです。
このスタイルを参考にしたいという奇特な方は少ないかもしれませんが、
このコーディネートを作るのに必要な知識を長々と書いていきたいと思います。
内容は服好きからしたら基本レベルかもしれませんが、脱オタ向けではなく服オタへの
第一歩というくらいを意識しております。クラシック好きが増えるといいなぁ。
■はじめに
スーツは「ひと揃い」という意味があります。その派生であるジャケパン
スタイルもいかに揃えるかというのが基本的な考え方です。テイストを揃える。
素材を揃える。トーンを揃える。ディテールを揃える。何かしら揃える。
スーツの背広をジャケット使いしてジーンズでカジュアルダウン。
あれは素材やテイストが合っていないからチグハグに見えるのですね。
ジーンズを使いたければ背広を使いまわさずコットン素材のジャケットを
購入した方が無難です。ただしセルジュ・ゲンスブール級のイケメンや
ハズシの達人だとなんでもアリになるので一概に決めつけることはできませんが・・・。
【ポイント1】最初に全体のテーマを設定し統一感を持たせる
■ジャケットで見るべき点は立体感

イタリア製のデザイナーズブランド
シルエットが良い。よく聞く言葉ですが、全体的に細くてシュッとしていたら
シルエットが良いというわけではなく、体の輪郭に則した曲線が出ているかどうかです。
つまり立体感です。服の良し悪しがよくわからない。高い服と安い服の何が違うの?
そういう人はジャケットのバックスタイルも見てください。ジャケットの良し悪しは
前よりも後ろに表れます。背中の美しさは仕立ての良い服の一つの証なので、
テーラーのサイトなりブログを読めばバックスタイルの写真をよく見ることになるわけです。

ビスポーク
このジャケットはモヘアの手縫いで誂えたジャケットなので立体感がとてもよく出ております。
ファッション誌で後ろを見ることは少ないと思うのでバックスタイルで比べていますが、
上と下どちらが体に吸い付くような着心地なのか。一目瞭然ではないでしょうか。
ハンガーにかけられた状態で前から見るとたいていデザイナーズの方がかっこよく見えますが、
ジャケットは着ないと良さがなかなかわかりません。生地のブランドネーム、
毛芯、お台場、本切羽、襟裏のひげ。品質を見極めるポイントとしてよく紹介される点ですが、
それらを絶対視せず、試着した時の着心地と立体感で選んだ方が良いかと思います。
素材のモヘアは鉄より固いと言われており耐久性に優れシワになりにくいのが魅力的。
しかも光沢感が強いので高級感があり3シーズン着用も可能という万能ぶり(一応は春夏向け)。
生地が重く着心地もソフトではないのが難点なくらいでしょうか。
張りのある生地は柔らかい生地と比べよく言えば仕立て映えがする、悪くえいえば
ごまかしがききます。テーラーの力量差が出にくい素材と言えるのかもしれません。
逆にゼニアやロロピアーナみたいな高級で柔らかいイタリア系生地を安い仕立てで作る場合。
生地の良さを生かし切れないどころか生地の欠点を目立たせる結果に終わってしまう
こともあるようです(詳しくは
高級生地と安すぎる仕立上価格 : テーラーカスカベをお読みください)。
今はいくら円高で生地が安いとはいえブランドネームやSuper100~に釣られるのは考え物。
生地と仕立てはセットなので生地選びはテーラーと相談した方が良いです。
ちなみにこのSavile Cliffordの3plyキッドモヘアはドーメルのトニックの
復刻みたいな生地です。軽い・リラックス・アンコンが今のトレンドなので
モヘアはアウトオブ眼中になりがちかもしれませんが、
経年変化も楽しめる良い素材ですよ。
【ポイント2】ジャケットの立体感に注目する
【ポイント3】生地と仕立てはセット。高い価格には理由がある
■クラシックなジャケットのバランス
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[新版]男の服装術 スーツの着こなしから靴の手入れまで 落合 正勝 PHP研究所 2004-01-22 |
クラシックというのは一つの完成された美しいバランスです。黄金比みたいなものです。
ただしそのバランスと体型というのは切っても切り離せず、
体型を考慮せずクラシックなバランスばかり追求しているとコスプレっぽくなるのでご注意を。
・着丈の長さ
着丈の長さは総丈(頭部から下、つまり第七頚椎からパンツの裾の下まで)÷2。
私で78㎝。今はショート丈が全盛で私のサイズでも70前半が既成では多いです。
・ラペルの幅
8~9cmが一般的です。10cmを越えるとワイドラペル、8cmを切るとナローラペルと言われています。
長身細身でないとナローラペルは顔の大きさを強調しかねないのでご注意を。
・ゴージラインの高さ
カラー(上衿)とラペル(下衿)の間の線をゴージラインと呼びます。
首元から9cm以内のハイゴージが基本。角度は50度です。
・フロントボタンの位置
2つボタンの場合、一番下のボタンが両サイドのポケット上端の延長線上に位置し、
その位置から10.5~11cm上にもう一つのボタンがきます。
だいたい、みぞおちちょっと下くらい。3つボタン、
2つボタンではなく、ボタンの位置、つまりVゾーンの深さが大切です。
・ウエストの絞り位置(絞り線)
(ジャケットの着丈÷2)+4~5㎝。この数字を第七頸椎を起点に下におろした位置。
その絞り線の延長に掛けボタン、3つボタンなら真ん中の、2つボタンなら一番上のボタンがくるので、
その位置でボタンを留めればウエストがきれいに絞れるという仕組み。
既製品はこの絞り線がバラバラ。
落合正勝氏の本から一部抜粋。このあたりの詳しい話は落合正勝氏の本に嫌というほど
書いてあるので興味のある方はお読みください。数字はあくまで目安です。大切なのは
このバランスをモノサシにして自分に似合うジャケットを探すことです。
それかクラシック仕様に体を鍛え上げるか。カジュアルでこんなに体にフィットする
ジャケットを着る必要はないのですが、サイズ感やクラシックにとことん
こだわりたい方は誂えた方が早いですよ(笑)
テーラーに採寸してもらったところ私のサイズは50でドロップ11です。
こんなサイズのジャケットは既成にはありませんのでフィット感に
妥協しないのなら誂えるしかありません。ちなみに日本のセレクトショップには
サイズ50までしかほとんどの場合置いていませんので、
オシャレな服が着たいのならチェストは100程度にとどめておいた方が無難。
110を超えると服探しに苦労しますので筋トレ好きはほどほどに。
ジャケットを誂える場合。手縫いと機械縫いでは型紙から違ってくるそうで、
とにかく手縫いは着心地が良いです(値段分快適になるのかは一概に言えない)。
年数が経てば経つほど身体への馴染み方にも差が出てくるのですが、
こればかりは口で説明するのは難しいですね。自己満足と言われたら
相手を説得できる自信がありません(笑)ちなみにこのジャケットは
上記に挙げたクラシックのバランスのほとんどを満たしております。
【ポイント4】クラシックなバランスを知る
■アメトラのシャツはmade in USAなら間違いない

マークマクナイリーニューアムステルダム
さすがにアメトラ名物3~5色のクレイジーパターンをこのジャケットに合わせるのは厳しいので、
pizzaのハーフ&ハーフみたいなシャツを合わせてみました。柄がジャケットの色と同系色の
薄めの色なら柄シャツでも簡単に取り入れることができます。人気のトムブラウンやバンド
オブアウトサイダーズのシャツ1枚の値段でここのシャツは2枚買える
というのも魅力的です。
シャツのブランドはインなんとか、バンドなんたら、ほにゃららブラザーズ等
なんでもかまいませんが(なぜかアメリカのシャツブランドは名称が長いので省略しています)、
注意すべき点は襟幅です。私の場合だとジャケットのラペル幅が9センチなのでシャツの
襟幅も9センチで合わせています。これが小襟のボタンダウンを流行らせたバンドオブ
アウトサイダーズになると7.5㎝になるのですね。ボタンダウンの元祖である
ブルックスブラザーズ(古着の6ボタン)も9㎝。こんなこともあろうかと!
とジャケットのラペル幅とシャツの襟幅に注意してワードローブを揃えておくと
バラバラになることはありません。ラペル幅9㎝というのは今のナローラペルの
トレンドから見ると太く見えるんですけど意外と中庸なバランスなんですよね。


左はフランスのピエールカルダン、右はアメリカのブルックスブラザーズ
made in USAにもぶっちゃけこだわる必要はありませんが、
ボタンダウンにも丸いロールを描くアメリカタイプと襟先にボタンが
ついているだけのヨーロッパタイプがあります。両者は似て非なるものなので
アメトラにこだわるならアメリカ式を選ぶべきです。
made in USAならまず間違いなくアメリカタイプです。
ボタンダウンにもいろんな形状がありドゥエボットーニのように
ボタンが2つ3つ連なっているものもあったりします。
【ポイント5】柄シャツはジャケットと同系色の柄を選ぶと失敗しない
【ポイント6】シャツの襟幅とジャケットのラペル幅はなるべく揃える
【ポイント7】ボタンダウンにもいろんな形状がある
■スラックスはなるべくシワを作らない
グレーのパンツと一口に言ってもライトグレーからチャコールグレーまで
色目がいろいろとありますよね。基本として、色が濃ければシックでビジネス寄り、
色が明るければスポーティーでカジュアル寄りというルールみたいなのがあります。
好みで構いませんがライトグレーの方が上下に濃淡がつきメリハリが
でますのでライトグレーをおすすめしておきます。
パンツのフィッティングはウエストではなくヒップや太ももで合わせます。
ウエストは出したり詰めたりできますが、ヒップやわたりはお直しが
できない場合もあり料金もウエストより高くつきますので。
フィッティングの目安は直立したときシワができないこと。
これに尽きます。年配の方のスラックスはほぼシワが出ていません。
パンツが太いからです。かと言ってそのサイズ感を真似するとおじさんっぽくなりますので、
いかにシワを作らず脚のラインに沿ったパンツを穿くか。パンツのフィッティングはこの戦いです。
人の脚は太ももとふくらはぎに筋肉がついております。直線的なラインの細いパンツ、
まっすぐな筒を想像してもらえばわかりますが、筒を細くすればするほど太ももと
ふくらはぎが引っ掛かりシワだらけになります。若者のスラックスの大半がこれです。
これを避けるにはいわゆる「S字シルエット」と言われるパンツを探すしかありません。
平置きした時に太ももとふくらはぎの部分でカーブするパンツです。
こういうパンツをはくとフィッティングをタイトに攻めても生地がストンと下に
キレイに落ちてシワができません。そのかわりお値段も総じて高めです。
そういうパンツを安く買いたいのならアウトレットのハイブランドがオススメ。
セットアップで販売されている服の多くはジャケットが先に旅立ちパンツが残りがちです。
お値段も破格になっております。このイヴサンローランのパンツも70%OFFで15,000円でした。
クロップド丈にカットする場合。トレンド的にテーパードシルエットはマストです。
トムブラウンはハイウエストのパンツに着丈の短いジャケットでウエストを高く見せ
バランスを取っていますが、クラシックなバランスのジャケットにクロップドを
合わせるとただの短足になりますので、カットする位置は踝丈でぎりぎりです。丈が短くなりすぎたり裾がテーパードしていないとたちまちバランスが崩れるので要注意。オシャレアピールをしたい嬉しがり屋や脚が長い人以外は正直なところやめておいた方が無難。
裾の折り返しは4.5㎝。トムブラウンは2.5インチ(6.35㎝)ですが4.5㎝前後が一般的で
バランス的にもきれいかと思います。

インコテックスのモヘアパンツ
実際は服屋でパンツの「S字シルエット」を確認するのは難しいかもしれませんので、
インコテックス、PT01、GTAなどの美脚パンツと言われているブランドやアウトレットで
お値段高めのパンツを片っ端から試着すれば良いかと思います。薀蓄はどうでもよくて
シワができなければそれでいいので。
【ポイント8】カジュアルならとりあえずライトグレー
【ポイント9】スラックスはなるべくシワを作らない
【ポイント10】フィッティングはウエストではなくヒップや太ももから
【ポイント11】パンツはアウトレットでセットアップの片割れを狙う
【ポイント12】スラックスをクロップド丈にカットするならテーパード必須
■オシャレは足もとから

エドワードグリーンのドーバー
ライトグレーのパンツには画像のような茶系の靴が定番ですが、
今回はアメトラがテーマなのでトムブラウンを真似ています。
「オシャレは足もとから」と言っても高い靴は存在感も半端ではないので、
下手したら靴が全部持っていってしまうんですよね(笑)
靴をポイントにコーディネートを組み立てるか、靴に負けないような服で
全身のバランスを取らないといけないのでそこそこのお値段の靴の方が
カジュアルでは使いやすいです。
トムブラウンの靴はトリッカーズ製です。アメリカ靴ではなくイギリス靴。
サドルシューズやローファーではなくごつめの黒のウィングチップ。
それでバランスを取るのがトムブラウン流なのでしょう。
私も真似をしてイギリスの靴から選んでいます。外羽根式で鳩目付きの
SANDERS(Military Collection)です。
靴もフォーマル度があり黒のストレートチップが一番格調が高く・・・以下略。
めんどくさいので割愛します。ビジネスならいざ知らずカジュアルで履くなら
外羽根式の方が活動的でサイズの調整も容易なので楽ですよ。
なぜ外羽式の方がカジュアル向けかというと元々戦闘用ブーツとして
考案されたのが始まりで・・・以下略。めんどくさいので興味のある方は
『紳士靴を嗜む』を
お読みください。
ブランドはなんでもかまいませんがSANDERS(Military Collection)は完成度が高く、
ミリタリーからきれい目、さらにはONにも使える便利な靴です。
値段も手ごろでダイナイトソールなので雨でもいけます。
ドレスシューズをカジュアル使いするときは紐の結び方にご注意を。平行なパラレルだと
ドレッシーな雰囲気が出ますので、スニーカーのようにアンダーラップやオーバーラップで
結んでおくのがベターです。パンツの裾の処理、靴下の選択、靴の手入れ、紐の結び方、
こういうちょっとしたことも大切です。高い靴ほど詰めの甘さは際立ちますので。
【ポイント13】靴にはある程度のお金と手間暇をかける
■チーフとタイはシンプルに

どちらもダンヒル。チーフの柄はロンドンの地図
いわゆるVゾーンは難しいのでファッション誌を読み具体例をそのまま
真似るのが間違いないと思います。一応、柄シャツは白ベースでジャケットと
同系色の色目の柄を選ぶ、ネクタイは紺ベースだと失敗は少ないかと思います。
今回もそれで合わせております。
ネクタイの結び方はプレーンノット、ウィンザーノット、セミウィンザーと
なんでもかまいません。アメトラならノットを小さくきゅっと締める。
60年代やトムブラウンはそういう結び方をしています。
ただ、カジュアルならディンプルを作るほどギュッと締め上げるとしんどいので、
シャツの第一ボタンを外しディンプルができない程度にゆったり締めると楽だと思います。
ディンプルは絶対に作らないといけないわけではなく、
ダンヒルの広告を見るとほとんどディンプルが作られておりません。
好みの問題でしょうか。
チーフはTVホールドで挿すと簡単です。ネクタイのプレーンノットみたいなものです。
基本にして一番簡単です。このチーフはダンヒルのコレクションでTVホールドで挿されて
いたので私もそれに倣いました。出す分量は1.5㎝という目安がありますが、
鏡を見て出す分量は調整すれば良いかと思います。ネクタイの結び目が小さければ
チーフの出す量も少なめにしてシャープにしてみるとか。逆に柄物のチーフなら
ポイントにするため多めに出してもいいかもしれません。
1.5㎝と言えば。シャツをジャケットの襟と袖口から1.5㎝出すという有名なルールがありますが、
あれも目安であり、どちらかと言えば1.5㎝という数字よりも襟と袖口から同じくらいの分量を
出すという方が大切です。チーフも1.5㎝で揃えるとさらにバランス的に良いですね。
ただなんでもかんでも揃えれば良いというわけではなく、ネクタイとチーフの
色と柄の両方を揃えると野暮だとされています。チーフの色はネクタイと合わせるのではなく
シャツの色を拾うのがセオリーです。多くの場合シャツは白ベースなのでチーフも白になるというわけです。
もう一つ。ジャケット、シャツ、ネクタイのストライプの幅を揃えるのもうっとうしいのでNGです。
なるべく揃えない、少なくとも揃えるのは2つまでにしておくべきです。
下手に柄を合わせるくらいならいっそのことネクタイとチーフは無地で
シンプルにいく方が洒落て見えるのかもしれません。
【ポイント14】ネクタイは紺ベースが手堅い(紺の無地は万能選手)
【ポイント15】チーフの色はシャツから拾う
【ポイント16】ネクタイとチーフは合わせすぎると逆に野暮な場合もある
■デカ厚腕時計の逆という選択

NOMOSのタンジェント&ディンヴァンのメノッツ
スーツやドレススタイルで合わせる時計はケース径35㎜くらいが一つの目安と
言われておりますが、今はデカ厚腕時計がトレンドですのでカジュアル着なら
ドカンと40㎜オーバーの時計をアクセントに使うのも良いかと思います。
私は腕周りが16㎝しかないので流行のデカ厚時計は似合いません。
それとジャケパンスタイルは全体の調和が大切だと考えているので腕になじむ
小ぶりの時計をつけております。大ぶりの時計をアクセントにするか、
小ぶりの時計で調和を取るかは個人の好みなのでなんとも言えません。
この腕時計はNOMOS。小ぶりで薄型とトレンドから逆行しておりますが、
シンプルで必要最低限度の機能性を詰め込んだコストパフォーマンスに優れる腕時計です。
なにより「響け 青針!!」と聞こえてきそうな針が効いてますよね。全体的に青くまとめる
コーディネートによく合うのでこのコーディネートに使ってみました。
腕時計の周りにアクセサリーをじゃらじゃらぐるぐる巻くのが今風ですが、
上品なシルバーアクセサリーを1つ付けるくらいのバランスが私は好きです。
【ポイント17】ドレススタイルで合わせる腕時計はケース径35㎜くらいが一つの目安
■おわりに
細かいことを長々と書いてきましたが、ジャケパンスタイルはこの細かいことの積み重ねです。
それが全体で見たときのバランスにつながります。これはアメトラ編の1スタイルにすぎず、
他にもアメトラ○○編、英国カントリー編、ピッティ編(イタリアおやじ風味)、
LAセレブ編などジャケパンスタイルの型や覚えておきたい薀蓄はたくさんあります(笑)
実際は何も考えず適当に合わせてもそれなりのコーディネートは作れますが、
知識を備えていると安定してそこそこのコーディネートでまとめることが可能です。
センスは経験によって培われていきますけど、その経験を積むため
服ばかりに散財するわけにもいかないですよね。ある程度の散財は避けられませんが、
少しでも服代の節約をしたい方はファッション誌、書籍、販売員さんとの会話などから
基本的な知識を学んでおくのも手ではないでしょうか。
私もまだまだ若輩者で経験が足りませんのでコツコツと散財を重ねてまいりたいと思います。(笑)
センスが悪い、フィッティングが甘い、クラシックはおじさんくさい、
モード寄りの方が好きだ、ジャケパンはやっぱり黒ジャケにジーンズじゃない?
もっとカジュアルダウンしている方が良いなどいろんな意見があると思います。
服好きならジャケパンスタイルに一家言あるのは当たり前。
スタイルもいろいろありますよね。ただそういうのを文章であれこれ言っても
不毛なので皆様からの着画の投稿をお待ちしております。
ネットにはカジュアルばかりで大人の男性が参考にできそうなスーツや
ジャケパンのスナップが少ないですよね。なので、投稿された画像は
コーディネート鑑賞会にて紹介させていただきますのでお好きなだけ
こだわりをお語りください。お待ちしております。
![[新版]男の服装術 スーツの着こなしから靴の手入れまで](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51FVYMTB1BL._SL160_.jpg)
コメント
コメント一覧 (20件)
これまじなのか?
久々にelasticらしい内容でしたね
モードのスタイルにはビスポークジャケットよりも
写真のデザイナーズのジャケットのほうが良いと思います。
それとオーダーのジャケットがスーツの上にしか見えません。
シャツのネックも合ってあってないですね。
なにより理詰めならばピッチに変化が乏しい
ストライプシャツにストライプタイは避けるのでは?
このジャケットならパンツはフルレングスの方が似合うね
クロップドで使うならもう少しジャケの着丈が短い方がすっきりして見える
それはそうと良い身体してるなあ
>・・・さんへ
たとえダサくてもネタにしか見えなくても僕はいつも全力ですよ!
ネタにマジレスカコワルイとか言いませんので、
そうぞご自由にご意見ください。
>あさんへ
たまには薀蓄を垂れることもあります。
薀蓄くそ野郎ですので!
>たまこさんへ
理詰めとはかっこつけすぎましたね。
理屈くらいにしておけば良かった・・・(笑
遊び一切なしでクラシックのスーツスタイルをやっても本を読みましょうとつまらないので、
クラシックの薀蓄を垂れながらカジュアルダウンに挑戦してみた次第です。
その方がたまこさんのように良い悪いのご意見をくださる方が多いと思いまして。
指摘の箇所についてですが、
たまこさん以外も同じことを考えている人が多いと思いますので、
皆さんに向け私の意見をちょっと長めに述べますね。
一応、モードではなくクラシック寄りのスタイルです。モードにはデザイナーズ、
クラシックにはビスポーク。方法論としてそれが一般的だとしても、
全体的にこの合わせがおかしいとしても、ジャケットの前を見ずに写真のデザイナーズの方が
良いと判断できるものでしょうか?私はクラシックやモードという言葉のイメージに捕らわれず、
ジャケットとパンツのバランスが合えば良いと考えます。
このジャケパンだとジャケットを変えるよりパンツをインコテックスの
モヘア・フルレングスにするのがベターかなと。
オーダーのジャケットがスーツの上にしか見えないのは、
クラシックなバランスでドレス寄りに作っているので、軽めの素材やアンコンなど
リラックス全盛の今のトレンドだとスーツの上にしか見えないというのはその通りです。
なので、クレイジーパターンやクロップドで崩そうという試みです。
さすがにこのジャケットにジーンズやカーゴパンツは厳しいかなと。
センスのない人がクラシックなジャケットをカジュアルダウンする。
その発想がそもそも間違いと言われたら返す言葉がありません(笑)
精進します。
シャツについてはボタンを一つ開け、ネクタイをゆるめに巻き、首を捻ってみると
よほどきっちりフィットさせない限り隙間があきます(私の体型の場合オーダーシャツが必要)。
カジュアルシャツ、それもクレイジーパターンのシャツにそこまでのフィット感は
必要ないと考えます。締まりがないと言われたらタイを用いるのは失敗だったなぁと
泣き言を言うしかありません(泣)
ピッチの幅が近いのは気になっておりましたが、完全なストライプシャツではないので
そこまで気にするほどでもないかなという判断です。客観的にみると確かに乏しいかと思います。
>このジャケットならパンツはフルレングスの方が似合うね
ピッティのスナップを見ているとそこまでショート丈ではない気もするのですが、
外人と比べ私には背丈も足の長さも足りなかったようです・・・(泣)
やはりもう少し着丈の短いジャケットで使うことにします。
ジャケットの色気は素晴らしいんですけど、どうにもクロップドが理解できません・・・。
上半身が助平な白人、下半身が草食の日本人って印象を受けました。
あと、バッグも持って欲しかったですね。
確かにジャケットはかっこいい
何度か見てるうちに、タイはずしてレースアップじゃない革靴にしたらクロップドでも合う気がしてきた
まず人柱になって晒したdaleさん賞賛。
キッドモヘアはいいですよね。
手入れ楽で安っぽく見えないのがいいです、光沢がドレッシーすぎて脱オタには勇気がいりそうですが。
くるぶし丈は批判されたり抵抗ありそうなので、そういう方はテーパードのノークッションがいいかもしれません。
パンツで外したり流行感だすのはいいと思います。
ただまあ、実践したら(服オタでない人にとって)値段がすごいことになりそうw
書き忘れ。
くるぶし丈ならコーディネートのパターンとしてスエードのチャッカブーツが合うでしょうね。同じSANDERSのもので。
雑誌じゃ各アイテムの詳しい解説がなかなか無いので、とても参考になります。
是非、LAセレブ編、イタリアオヤジ編もやって下さい。
もうすぐアラサー突入なので、ジャケパンスタイル勉強しないと…
実はdaleさんの体型にかなり憧れてます(笑)
なかなか胸筋がつかないのが悩み…
>ジャケットの色気は素晴らしいんですけど、どうにもクロップドが理解できません・・・。
クラシックなジャケットのカッコよさを伝えたかったので嬉しいです。
そのクラシックなジャケットをどうカジュアルダウンしていくか考え、
私なりにバランスを取ってみたのですが、クロップドはそんなに違和感あるのですね(汗)
本人的にはぎりぎりOKじゃない?と思っても他人様から見たらアウトー!
なことは結構あるので勉強になりました。
>確かにジャケットはかっこいい
ローファーも考えたのですが、よりおじさまっぽく見え、石田純一的な何かに
見えるという突っ込みがくるのかな?と思いまして。
タイを外すのなら結構クレイジーパターンのハーフ&ハーフっぷりが目立つので
シャツも考え直さないとですね。
バッグを合わせるとどうしてもビジネス寄りになってしまい、
適当なバッグが手持ちになかったのです・・・。
>tkさんへ
少し前に「クソ高い服買うやつって馬鹿じゃね?」というスレを読んだので、
高い服には高い服の魅力があるということを服好きの一人として伝えたいなと
思いまして。
もっとボロッカスに叩かれると思っていたので皆様の優しさに感謝です。
モヘアのジャケットを崩すにはクロップドのスラックスくらいしか思いつかなかったのと、
トレンド的にもちょうど良いかなと。ただ、これだけ突っ込まれるということは、
靴も含め、足回りのバランスは再考しないといけないなと考えております。
>遊さんへ
イタリアオヤジは色合わせと小物使い、LAセレブはイタリアとアメカジの
ハイブリットスタイルでジーンズの薀蓄から述べないといけないので
骨が折れそうですね・・・。
体型は個人差があるのでこればかりはどうしようもないですよね。
筋トレが好きにならないと体作りは難しいです・・・。
いやぁ思いきったネタですね!
清水寺の舞台から飛び降りても大体下にある森がクッションになって助かるもんですが。このネタは清水の舞台から伐採された森に飛び降りるようなもんですね!
突っ込みの嵐に負けず二弾三弾と頑張ってください。
しかし確かに指摘あるようにクラシックなジャケットにクロップドは似合わないんだなと実感しました。
これはイイですね。自撮コーデが流行ってますけど、カジュアルでなく、ジャケパン等は初めて見ました。参考になります。
次はドレスをカジュアルダウンしていく過程とかも期待しております。
ところでクロップドが類稀なる色気を放っているように思えるのですが、これはリヴゴーシュだからでしょうか?daleさんの体型ですかね?
曲線のシルエットがムーディーというか。インコくらいしか履いたことが無いのですが、S字パンツは大概こんな感じでしょうか?踝にモザイクかかっても不思議じゃない気すらします。
daleさんの命がけの行動ッ!僕は敬意を表するッ!
クレイジーパターンのシャツなんて自分の中では完全に地雷だと考えていたのですが上手に着てるなあと思いました。
>たまさんへ
飛び降りて怪我してもそのうち復活しますので、
第2、3弾は少々お待ちください(笑
>9さんへ
僕の体型もあるとは思いますがS字パンツでフィッティングを
タイトに攻めるとこうなります。既成でここまで裾が細いのは珍しく、
さすがはリヴゴーシュだと思います。
>恥知らずの紫さんへ
クレイジーダイヤモンドは砕けないっ!
じゃなかった。クレイジーはそう身構えるほどのものでもなく、
見せる面積さえ減らせばどうってことないですよ。
この場合、タイとジャケットでほぼクレイジーだとわからないです。
daleさんの体を張ったネタ提供楽しいです。
20代を折り返してジャケパンスタイルを学ばないといけない身として勉強になりました。
個人的には他の方が述べているようにジャケットの丈に対してのクロップドが気になりました。ノークッションでもよかったのかなと。
何にしろ、またdaleさん的コーディネート塾楽しみにしてます。
好みの問題なのでしょうが、少し色味としては面白くないなぁと。無難だけど地味だなって。カジュアルなら少しどこかで遊びがほしい気がしました。
時計、自分もでかいのダメなので参考になります。ただ少しお高いですよね。いつかは欲しいけどってレベルでほいほいっと買えません。もしビジネスも含めてジャケットスタイルに使えて、小さめの文字盤で、2~3万円以内で買えるよいメーカーがあったら教えてください。
>stさんへ
ノークッションの方が良いかと思いますが、
皆さんの意見が聞けたのでクロップドで結果オーライ
と自分では処理しておきました(笑
>Y.Nさんへ
その条件だとベタですがスカーゲンになりません?
10万以下ならユンハンスあたりかなと。
遅ればせながらこの記事を読み、かつ筆を取らずにはいられませんでした…笑
素晴らしいjktですね。ビスポークですので仕立て(立体感)は言わずもがなですが、生地のチョイスが粋です。10年20年着れますね^^
またシャツですが、僕も毎日シャツ着る様になるまでは「ネック合ってない奴プギャー」と思っていたのですが、シャツって馬鹿みたいに縮みますよね汗
襟と袖が擦り切れるのなんて全然後。良いシャツを当たり前に着て洗って第1ボタンが閉まらないのは「普通」「至極真っ当」だと考えます。
(全て誂えでかつ10枚20枚持ってて…という人は金持ち以前に普通の勤め人ではない気がします^^)
jkt以外が全てカジュアル寄りなので、むしろ「全身小奇麗にまとめてて急にちょっと良い店で食事することになったからjkt羽織った」って感じがして、朝からバキバキに固めた感がなくて好感持てます。
モードな…というか昨今の吊るしのjktはあまりにもカジュアル限定としか思えない着丈ですし、その割になかなか高価なので、結構難しい立ち位置のアイテムだと思います私は。
>zizuさんへ
シャツって難しいですよね。
既成だとまずネックサイズと身幅が合いませんし、
おっしゃるように縮みますもんね(汗)
僕はカジュアルならそういうものだと割り切ってます。
昨今の吊るしは僕も立ち位置が難しいと思っています。
ジャージのアンコンより思い切ってモヘアの
クラシックくらいで仕立てた方が使いやすいと思うんですよね。